Chapter 6-9
ひとまず、ローレシアが砂漠化したことと巨大な岩山は置いて、彼らはローレシアの教習所に向かうことにした。教習所と言っても、ローレシアのそれは城の内部にある。教師は兵士達が担当しているらしく、到着した彼らを出迎えたのは兵士の服に身を包んだ男2人だった。

???「ルプガナから来られた皆さんですね。お待ちしていました、どうぞお入り下さい」

そう言われて通されたのは、城内の一角に設けられた部屋だった。どうやら待機部屋らしく、訓練の時にはそれぞれの場所に移動するようだ。

ローレシアの生徒は10人ほどだった。ルプガナから来た18人を代表して、アーロンが生徒たちの前で一礼した。

アーロン「私はラルド=アーロンです。時間の都合上、全員の紹介はちょっと。私たちは生徒も教師も1年目で、色々と未熟な部分もあるとは思いますが、これからの5日間ほど、どうぞよろしく」

パラパラと拍手が起こった。向こうもそれなりに緊張しているようだ。引き締まったその表情が、一層硬く見えた。

???2「よろしくお願いします。私はランカー、そしてこちらがファットです」
ファット「それでは、早速なんですが、少しお手合わせ願ってもよろしいでしょうか?」
アーロン「…分かりました。誰を出しましょうか?」
ランカー「こちらは我が教習所で一番の成績のグラッドを。そちらは…?」

「自分が行きたい」という表情の生徒が2、3人。アーロンは13人全員を順に見た後、少し考えてからロエンを指名した。

◇◇◇

場所が城の裏庭に移り、ルプガナの生徒とローレシアの生徒が大きな円を成すようにして座る。その円の中央には、先ほど呼ばれた2人がいる。

グラッド「よろしくね。どうぞお手柔らかに」
ロエン「こちらこそ、どうぞよろしく」

簡単に挨拶を交わした後、2人は離れていく。ほとんどの生徒が緊張しながら見る中で、レイシアの表情だけはいつも通りだった。

レイシア(普段の訓練の成果を出せば…必ず勝てるわ。あれだけ頑張ってたんだからね…!)

そんな生徒たちの期待がこもった視線を感じているのかいないのか、2人は「始め!」の声と同時に動いた。
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