Chapter 6-7
アンナ「…あたいは、もう「今の」ローレシアには行きたくないんだ…」
アルム「今の…?
どうやら深い理由がありそうだ。アンナは息を吸い込み、話を続けた。
アンナ「あたいは何年も前からいろんなお城に行ってきたんだけどね…」
セリス「おい、何が何だかわかんねーよ!もっと具体的に…!」
アンナ「ローレシアは今…砂漠の城になってるのさ…」
その言葉に、誰もが耳を疑った。それは生徒に限らず、アーロンたち5人も同じだった。
アーロン「バカな!ローレシアは緑に囲まれた城じゃなかったのか!?」
セレイス「きっと何かの間違いだよ!僕が行った時は…!」
5人が疑うが、アンナは首を振った。
アンナ「1年半ほど前から、ローレシアには雨が降らなくなって…草木は枯れて、広い草原はすっかり殺風景な砂漠になってしまったのさ…。あたいが最後にローレシアに行ったのが1ヶ月前だから…」
その場にいた全員が黙りこくった。一時は驚いていたアーロンは、落ち着いて全員に言った。
アーロン「ラグッドの言うことが真実かどうかはじきに分かるが…これは私たちの責任だ。みんな、すまない」
生徒たちは初めてのアーロンの謝罪に面食らいながらも、やがて笑い出した。
セリス「らしくないんじゃないですか?」
レイシア「そうですよ、先生は何も悪くないんですから!」
エド「そうそう!」
ロエン「それより、僕たちが砂漠の謎を解明しちゃおうよ!」
アルム「それ面白そうだね!」
アーロン「お前たち…(私はまだまだ未熟者だな、全く)」
セレイス「じゃ、行こっか!みんな、僕の周りに集まって!」
セレイスの言葉で、生徒たちは笑顔で彼の周りに集まった。そんな中、1人だけ複雑な表情をしている生徒がいた。
タア(砂漠の城…くそっ、思い出すな!)
アルム「タア…?どうかした?」
タア「っ…何でもねぇよ!!」
タアは荒々しくそう返すと、セレイスに近づいた。彼はそれを確認すると、「ルーラ!!」と声を張り上げた。