Chapter 5-11
数分後、時計の針がカチリと動き、訓練の開始を知らせた。
剣術学のメンバーは、今日も庭に出て訓練を受ける。
ゼクトル「よし、んじゃ、今日は今までの復習をやるか!」
タア「おい、アルムがいねえんじゃねえか?訓練始めていいのかよ」
ゼクトル「時間は過ぎてんだ、構わねえよ。さあ、やるぞ」
◇◇◇
一方、屋敷の地下にいるのは、魔術学のメンバー。
セレイス「えーと…今日はこれまでの呪文の復習をしようか!」
エド「せんせー、ルーナがいないよー?」
セレイス「そうだね。だけど、ルーナ1人のために君たち3人の訓練時間を無駄には出来ないからね。始めよう」
◇◇◇
また、裏庭では体術学のメンバーが訓練を受けていた。
メリー「それじゃ、今まで教えた技の復習でもしましょうか!」
ロエン「…先生、セリスもいないんですけど…?」
メリー「そうね…どうしたのかしら。でも、決まった時間に訓練はしなくちゃいけないから…あの2人には悪いけど、始めましょ」
◇◇◇
休憩するための小部屋に、今は空いているアーロンとシェルトがいた。
アーロン「全科目、今日は復習にするように伝えた」
シェルト「そうですね、彼ら3人…いや、4人に不公平ですからね…」
5人は知っていたのだ。レイシアが、そしてアルムたち3人が、それぞれ森に向かったことを。
アーロン「さてと…じゃあちょっと行って来る」
シェルト「…ああ、あれですね。あなたも本当に大変ですね、頭が下がりますよ」
アーロン「2年前からやってて良かったよ。まだ面目を保っていられるからな」
シェルト「全くですね。では、頑張って下さい」
アーロン「ああ」
アーロンが部屋を出ていくと、シェルトは天井の隅を見つめた。そして、つぶやくように一言。
シェルト「どうか必ず…無事で帰って来て下さいよ…!」