御伽

淡い夢が包むころ 離れる温度さえ求めずに
そう消えた隙間は 他の誰かで埋めましょう

閉じた目の奥で 弾けた色彩-いろ-
そっと奏でては 痕ばかり追う

染まる花の色 儚くも藍
それは咲き乱れて 散ってゆく
知れぬ名を求めて 揺らいでは
見え隠れする 月にも 想う


見える隙間から 覗いた色彩-いろ-
そっと辿っては 影ばかり追う

触れた指の先 儚くも哀
それは離れ堕ちて 消えてゆく
知れぬ名を叫んで 揺らいでは
見えない貴方 月へと 想う


それはあまりにも 悲しい御伽
(アナタトノ別レモツゲテイタ)

染まる花の色 儚くも藍
それは咲き乱れて 散ってゆく
知れぬ名を求めて 揺らいでは
見え隠れする 月にも 

触れた指の先 儚くも哀
それは離れ堕ちて 消えてゆく
知れぬ名を叫んで 揺らいでは
見えない貴方 月へと 想う


咲いた月は紅く――・・・

私を照らして、居る



追記:

貴方は御伽噺で別れを告げました。
それは「月の姫」の悲しい御伽噺でした。
私は籠の中の鳥なので、
貴方と添い遂げる事は出来ないのだと、
知っていたはずなのに涙が溢れました。


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