初めて書いた東南♀


 南との出会いは小学二年生の頃。テニススクールでだった。
 今でも彼女との初めての試合は覚えている。ネットの向こうにいる彼女をてっきり地味な男なのかと思っていたのだが、実は女の子だった。当時は髪も短かったし、そんなに体格も変わらなかったし、何より着ているテニスウェアも男向けだったのだから間違えても仕方がないと思う。

――― 私、女だよ…?

 試合が終わった後、握手のときに「同じ男として、君みたいにうまくなりたいな!」とうっかり口を滑らせてしまった。そのときの南はただ、苦笑いを浮かべていた。
 あのときはどちらもあまり変わらなかったから、間違えてしまったが、中学三年生になった今はもう間違いもしない。俺は背だってあの頃からは考えられないほど高くなったし、南だって中身は相変わらずだが見た目も男らしかったあの頃から女性として成長している。

「とうとう全国行くんだ。頑張ってね、部長」
「ああ。南も大会頑張れよ」
「うん」

 そうやって頷く彼女は俺のものとは違う制服を着ている。もしも南が男だったら、同じ舞台で戦えたのだろうが、生憎彼女は女だった。だから、公立に進んで、スクールでテニスを続けている。色々な大会で上位の成績をおさめているようだった。
 それでも、たまにもし南が男だったらと考えてしまうことが多々あった。シングルスではお互いを励まし合うことができるだろうし、なんだかんだで似ているからダブルスを組んでも結構良い線行くかも知れない。

「たまにコートに一人って、寂しいって思うときないか?」
「何、唐突に」
「一緒に南がいてくれたら、きっと楽しいだろうなって思ったんだ」
「何それ」

 南が隣でくすくすと笑っている。おかしなことを言ってしまったのだろうかと思ったが、きっと彼女も考えていることは同じだ。

「確かに東方とのダブルスは楽しいかもね。後ろにいたらすごく安心かも。でも、組んであげられないから一人で頑張ってね」
「ああ。いつでも前に南がいると思って頑張るよ」


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な感じで如何でしょう。
出会いはやっぱりテニスなんですよね。
スクール内の練習試合か何かで組まされた的な。
ほいでダブルスネタも忘れない…。
今度は南君と東方さんも書いてみたいけど、イマイチ思いつかない!!!



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