土曜ワイド山吹


○山吹
南健太郎:山吹署の刑事。主任。
東方雅美:山吹署の鑑識。主任。
千石清純:山吹署の刑事。
室町十次:山吹署の刑事。
新渡米稲吉:山吹署の鑑識。
喜多一馬:山吹署の鑑識。
錦織翼:山吹署の交通課。
亜久津仁:バイクショップの店長。
壇太一:中学生。

○四天宝寺
白石蔵ノ介:名探偵。
小石川健二郎:大家さん。
忍足謙也:探偵。
財前光:探偵事務所の事務。
石田銀:お坊さん。
遠山金太郎:小僧さん。
一氏ユウジ:芸人。
金色小春:芸人。
千歳千里:陶芸家。


土曜ワイド山吹は刑事の南と鑑識の東方って言う構図に萌えた。
こうね、南は夏は暑いからそんなにジャケットは着ないんだ。白ワイシャツにネクタイとスラックスで動いてるんだけど、暑いから腕まくりしてんだよ。そういうしゃーもないスタイルがとても似合うと思うんだがどうか。で、現場で捜査するときは腕章と手袋するでしょ? 萌える。
東方は鑑識なので、勿論あの鑑識の制服っすよ。あの鑑識の制服が好きなのでホンマにたまんないっすね! 好きキャラには絶対着せたい服の一つです。絨毯に落ちてる粉とか回収するときは手足が長いから千と千尋の釜爺みたいに這いつくばってるんだと思う。何それ萌える。指紋鑑定とか終わったら、人に頼まずに自分で南に報告しに行くんだよきっと!

ていうかただの警察パロってねww
山吹署シリーズはチャラ男刑事千石の言動にイライラさせられつつ、基本に忠実な刑事南健太郎が事件解決に向かうお話です。その中の癒しが鑑識東方っていう。
白石探偵事務所シリーズは自称名探偵白石蔵ノ介が平凡な発想しかできない刑事小石川と協力して事件解決に向かうお話です。多分。探偵事務所の面々はとても個性豊か!

山吹署の話と白石探偵事務所の話は元々は別の話でたまに火サスや土曜ワイドでやる名探偵キャサリンVSなんたらとかみたいなコラボ企画で一緒に出てくるとかどうよ。
京都地検の女とおみやさんとか京都迷宮案内のコラボも好きだなあ。なんでもコラボってなんか好きです。クロスオーバーも好き。


■山吹署VS白石探偵事務所

 ベッドで安らかに横たわる遺体を前にして南は両手を合わせて、一礼した。

 遺体は女で傍目から見ても死んでいるとは思えないほど安らかな死に顔だった。ただ、眠っているだけにも見える。しかし、彼女が死んでいるということはすでに検死官が確認済みだ。

「ガイシャは城ヶ崎康子。上州院大学の学生で、城ヶ崎グループ社長…城ヶ崎忠ノ介の一人娘だそうです」
「へええ、城ヶ崎グループってあれでしょ? 貿易からレジャーまで幅広く手を伸ばしてるっていう…へええー…お友達になりたかったなあ」

 手袋を着けている南に先行して現場入りしていた後輩刑事である室町が女の簡単な経歴を報告する。同じく手袋を着けていた同輩の千石がさらっと軽口を叩いた。

「千石さん…」
「室町、いいから続けろ」
「あ、はい。死因は青酸カリによる毒殺。なんでしょう…これは自殺ですかね…」
「いいや、決めつけるにはまだ早いな。自殺ならもう少し苦しんだ痕跡が残っているはずだ」

 周りではまだ鑑識が現場を調べている。パシャッ、パシャッとフラッシュを焚く音と物々しい空気が流れていた。現場自体は都内のマンションの一室でかわいらしい丁度の並ぶ女性らしい部屋だ。

「こーんなに可愛い女の子を殺しちゃうなんてさ、許せないよね、ホントに」
「ああ、そーだな…」
「南」

 背後から呼ぶ声がして振り返ると同期の鑑識である東方が手を挙げていた。南が気づいたのを見るなり、手招きをしてくる。

「なんだ。何か見つかったのか?」
「毒の入った小瓶が見つかった。多分、彼女が飲んだのはこれだな」

 東方が指さしたのはよく薬の入っている飴色の小瓶。そこに貼ってあるラベルには「天国への階段」と書いてあった。その下に、律儀にも青酸カリと小さく書いてある。

「なんだよ、この「天国への階段」って…」
「さあ?」

 南が首を傾げれば、東方も首を傾げる。確かにある意味青酸カリは天国への階段とも言える。それに彼女の安らかな顔から考えると自殺なのかもしれない。

「自殺って決めつけるには時期尚早やで、刑事さん」

 唐突に何者かが会話に割り込んでくる。室町に取り押さえられながら、こちらにやってくるのは書生のような着物と袴、それにチューリップハットをかぶっている。金田一耕介をイケメンにしたらこんな感じだと南は思った。

「決めつけてないですけど…室町、そちらの方は?」
「あ、第一発見者の方です」
「名探偵の白石蔵ノ介いいます。よろしゅう」

 白石だと名乗った似非金田一は笑顔で手を差し伸べてくる。しかし、南は怪訝そうにそれを見るだけだ。名探偵というのがいかにも怪しい。

「…山吹署の南です」

 南はポケットから警察手帳を取り出すとそれを白石に見せた。警察官の制服を着た南がいかにも地味な顔で写っている写真も一緒だ。

「地味やなあ…こんな地味な刑事さんに事件解決できるんかいな…。俺がお手伝いさしてもらいますわ。何せ、名探偵なんで!」
「遠慮します」

 警察手帳をポケットにしまいながら、南は思い切り白石を睨みつけた。日々、地味であることを何より気にしているのに、まさか初対面の男にここまで言われるとは思わなかった。

「あのー、とりあえず、第一発見者としての証言をしていただければ結構なんで」

 室町が笑いを堪えながら、白石に告げる。その室町の反応にも南は睨みをきかせた。

「南、そろそろ気にするのやめろよ」
「いいや、俺は気にするのをやめない。俺は絶対地味じゃない」

 同じく地味な東方がそっと南に言うが、南は未だ憤慨したままである。

 安らかに眠る女性の遺体。
 自称名探偵の男。
 そして、地味な刑事。

 これこそ、連続殺人事件の幕開けであった。



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