歩いて下駄箱に向かおうとすると、レイザに怒られた為、小走りで下へ降りるとすぐにオルカを発見した。



「おーナマエ。さっきベータが探してたよー?また何か厄介ごとに巻き込まれているね」


「そうかな…自覚はないんだが…。」


「まーいいや。今日は貸しってことでさ、さっさと帰りなよ。ベータには適当なこと言っとくからさ。」


「助かるよ。じゃあ今度、何かお礼するよ」



 私はオルカに礼を言って、下駄箱に向かった。自分の靴を履き替えて、さらに走った。









「オルカ〜、ねぇナマエを見ませんでしたかー?」


「あー、さっき教室の方で見かけたけど?」


「本当ですかー?もう、ナマエったら…どこに行ったのー?」



 ベータはふて腐れながら教室の方へ歩いて行った。









 学校の正門の方へ向かって走っていると、後ろからアルファが追いかけてきていた。



「待てナマエ、大事な話がある。」


「悪いけど、今は無理かな。それじゃあね、お先に!」



 私はアルファに勝るスピードで正門へ直行した。



 このまま走れば逃げきれる、そう思っていた。




 しかし、目の前の正門付近にはガンマが立っていた。



「スマート!」


「(どうしてガンマが…?)」


「ナマエ、僕の作戦勝ちだね。」



 私には何を言っているのか聞こえず、ただ彼は両手を広げているのだけが見えた。



「…ガンマ?」


「さあ、ナマエ。諦めて生徒会室に一緒に来てもらおうか」


「お断りするよ。面倒なのは嫌なんだ」



 私は彼にそう言って走り抜けようと更に加速した。


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