04
アンドレが消えたあと、オスカルは深く、ため息を吐いた。
私は……、間違っているのだろうか…。
今、このフランスは間違っているのだろうか…。
わずか4%の貴族と僧侶の為に96%の平民が犠牲となっている。
民が飢餓に苦しむ一方で、貴族は着飾り、舞踏会を開く。
そんな中、貴族を守るための近衛隊にいることが、本当にフランスの為なのだろうか……。
私は……。
「きゃーーー!!!!」
誰かの悲鳴が遠くから聞こえてきた。だが、なにかおかしい。どうやらその声は、
「……上から…?」
振り返ると、光り輝く少女が空から落ちてきた。
地面にぶつかると思い、走りだそうとしたとき、不思議なことが起こった。
落下していた少女の体が宙に浮いたのだ。
オスカルは自分の目を疑った。
なにが起こっているんだ…?
少女はゆっくりと地上に降り立ち、そのままへたりこんだ。
私に背を向けているからまだ私には気付いていない。
キョロキョロと辺りを見回している。
私がその場を動けないでいると、少女がゆっくりと振り向いた。
「………ジェンヌさんの名前…?」
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