02
「はぁ……」
なんで…
なんで……
「なんでそんなにかっこいぃのぉ〜!!!」
夜、テレビの前に体育座りの私。
テレビに映るのはいつも輝いているあの人たち…。
「あぁ……オスカル……アンドレっ」
ここのところ毎日、夜になると友達に借りたビデオを見る。
ベルサイユのばら〜フェルゼンとアントワネット編〜
あたしの日課になってしまった。
手にはもちろんリモコン。
巻き戻しては再生
巻き戻しては再生…
ずっとその繰り返し。
それだけ、あたしはこの物語にのめり込んでいる。寝ている時間も惜しまれる。
ただ、気になることが一つだけある…。
「っ―…オスカルっ……」
何故かは分からない。
何故かは分からないけど、
オスカルが死んでしまうシーンになると、ひとりでに涙が溢れてくる。
その涙は止まらない。
ビデオを何回も見ているのにいまだに泣いてしまう。
自分でもおかしいことはわかっている。
でも、涙が止まらない。
あたしの心が泣いているから…?
「…―オスカルっ…やだっ…死んじゃやだぁ…」
会いたい―――……
あなたに会いたい――…
オスカル……。
私はそこで、意識を手放した…。
- 2 -
[*前] | [次#]
ページ: