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それは貴方の甘え方

拍手/原沖/時代はお好きにの雰囲気文


左之さんの甘え方は、少し厄介。


例えば、ほら――

口付けの回数が、やけに多かったり

(何度も絡め合わせた舌先が痺れるし、
 きっと唇は紅をひいたように赤くなってる。)

しつこいくらい僕の「声」を求めてきたりする。

(名前を呼ぶと悦んでくれるから、
 僕は壊れたみたいに、其れを繰り返す。)


抱きしめてくる腕の力は、
少し強すぎて苦しいくらいだし。

中を行き来する熱は、
まるで容赦がなかったりする。



極めつけは、そう――


「総司……もう一回だけ、な?」


いいだろう? と。
終わりの見えない「もう一回」を、何度も何度も繰り返す。



だから僕は、左之さんが僕を甘やかしてくれる時を思い出して―――ちょっとだけそれを真似してみる。

頭を撫でる代わりに、左之さんの頭を両手で抱えて、解けた長い髪を掻きまわして。
優しく包んでくれる腕を思い出しながら――けれど僕の手はふさがってしまっていたから――代わりに足を絡めて……強く引き寄せて。

それから望まれるままに名前を呼んで、強請ってよがって喘いで啼いて、素直に言葉で求めてあげる。

だって左之さんが甘えてくれることなんて滅多にないから。
そんな日は僕も、とことん甘やかしてあげたくなってしまう。


「な、もう一回―――」

「ぅ…ん…でも、これ以上するなら……朝ご飯、ここまで運んでよ?」
「―――だけでいいのか?」
「だけ、じゃ、足りないかな」


だって明日は間違いなく、
指一本だって動かすのが億劫だ。


今日は僕が左之さんを、好きなだけ甘やかしてあげる、から。




「――明日は僕を、いやって云うほど甘やかしてよ?」




ちょっとメンタルが弱くなってても、お互い口には出さないタイプ、空気で感じあってればいい。ちょっと弱ってる左之さんを甘やかしてあげるには、沖田さんが素直に甘えてあげる……のが一番だと思うんだな。

って、分かりにくいけどそんな妄想!




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