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「ちょっ…なまえ…」


19時。夏の終わり。ベッドの上。
健良はいつもとは逆転しているお互いの体勢に多少の焦りを感じていた。
服をはだけさせながら自分の首筋を舐めてくるなまえはとても可愛いが、如何せん攻められるのは慣れていない。
それに残暑のせいで汗も滲んでいる。健良はなまえの肩を掴んで優しく引き剥がし、起き上がって自分の太ももになまえを座らせた。


「晩御飯食べに行くって言ってただろ?それに僕今汗かいてるし…」

「…」


月明りの下で、なまえの不満げな目が健良を見つめていた。
おずおずと抱き着いてきたなまえが嫌に胸と股を押し付けてくるので、むっとした色香に降参した健良は髪を撫でてやってそのままベッドに倒れ込んだ。


「…もー…」


なまえが勢い良く健良にキスをして、歯がぶつかりカチカチと音を立てる。
色々と準備は出来ていないが求められて嫌な気はしない。なまえからの珍しい要求に気を良くした健良はそのまま舌を絡めて空いた手でなまえの身体をほぐしていく。
襟足を撫で、胸の形をなぞって脇腹に指を滑らせると、なまえの肌が粟立ち、背筋が伸びた。


「…ジェン…」


健良の上から上体を起こし、自ら服を脱いでいくなまえ。下着を脱ごうとした時に健良が起き上がりなまえをそっとベッドに寝かせた。
ブラだけを外して胸を隠そうとするなまえの手を奪い拘束する。こぼれた綺麗な胸に見とれているとなまえが顔を真っ赤にして怒ったように健良の名前を呼んだ。


「可愛い」

「んっ」


見られただけで凝り固まっている乳首を舌先で舐めるとなまえの口元から可愛らしい声が漏れ出す。
健良はしっとりと手に吸い付くような弾力を楽しみつつ、唇をなまえの細い首筋まで滑らせた。


「きゃあ!っあ、やぁ…ぁっ」


耳元から鎖骨までを往復して舐めると、予想外に大きな声がなまえから漏れて健良は思わず笑みを零した。
小さな耳の外側を齧り、耳たぶを吸い、穴に舌をねじ込むと小さな悲鳴が健良の肢体の下で響いた。
やめて、という様に左右に揺れる首や自分の胸板を押すか弱い手、強張る小さな身体を、健良は全て無視した。身を縮めるなまえの首筋と柔らかな胸に噛みつき、皮膚を千切るように吸い付いた。


「ぃたっ!ぁ…つけちゃ駄目!」

「ごめん、凄く痛そう」


予想以上に濃くついてしまったキスマークに反省しながら、健良はなまえの身体中にキスを落としていく。
なまえの太腿を撫でながら脚を開かせ、今まで触れなかった箇所をサテンの生地越しに撫でるともう十分な程濡れていて、なまえがちらりと健良の顔を盗み見た。


「指、入れてほしい…」

「駄目。ちゃんと濡らさないと、痛いのはなまえだよ?」


そう言いつつ、意地悪に焦らしていくのだからこの男はタチが悪い。なまえは唇をきゅっと結んで健良を睨みつけた。健良は悪びれる様子もなく下着をはぎ取りベッドの上に落とす。
なまえの両足の間から意地悪な笑顔を向けた健良はなまえのすべすべする太腿の内側を撫でまわし、わざと音を立てて吸い付く。
下腹部、太腿、脚の付け根。
1番奥の部分に健良の息がかする度に濡れていくのが自分でも良くわかる。なまえは断念して自ら脚を大きく広げた。


「ゎっ…あ!やぁ…だあ…」



硬く尖らせた舌先がなまえの秘部をまさぐる。吸ったりしない、優しく這わせるだけの健良の愛撫がなまえを濡らしていく。
なまえは時折電気のようにぴりぴりと走る快楽に腰を浮かし、たまらないとばかりに健良の頭を抑えつけた。


「ん」

「指いれて…」


口元の、唾液なのか愛液なのかわからない液体を健良が舌で拭う。
隣に寝そべる健良の胸にキスをしてなまえはぎゅっと目を瞑った。


「あ!…ぁ、…」


健良の指が静かになまえの中に割って入る。一瞬息を止めたなまえの額にキスをして力を抜かせてから中の指を優しく動かした。
なまえの中はもう十分に濡れていて、柔らかいそこはどこまでも健良を受け入れてくれるようだった。
健良は中指を抜いて今度は2本の指を沈みこませる。


「んん…ぁっあっあっ…ゃ、ああぁっ!!」


指を入れてすぐ、腹部側の場所をこするとなまえの身体が跳ね、膣がぎゅっと縮小する。
普段大声など出さない慎ましやかななまえが、漏れる嬌声もそのままに、自分の指を欲しがり自ら脚を大きく開くのを見て健良は我慢できず下品な笑いを零した。


「凄い濡れてるね」

「んんぅ……っぁ、あ、あっあああぁっ!」


一際大きい嬌声の後、びくびくと膣を震わせながらなまえが脱力する。口元を手で隠しながら目をぎゅっと瞑って、呼吸を整えるなまえ。健良はそんな彼女の目元にキスをして上体を起こした。


「あっつ…」

「…」


脚を伸ばしながら呆然としているなまえを横目に服を脱いでゴムを付けていると、なまえが健良の背中を撫でる。


「ん?」

「…舐めてない」

「大丈夫」

「そうじゃなくて」


なまえは自分に覆いかぶさってくる健良の首に腕を回して、顔をぐっと近づけると耳元で囁いた。


「私ばっかり気持ち良くしてもらってる、から」


瞬間に、健良は自分の顔が耳の先まで赤くなるのを感じた。最大に膨らんでた股間が更に膨れてじんじん痛む気さえする。


「…ジェン顔熱い…」

「わざとだから」

「ジェ「うるさいよ」


なまえの耳を強めに食んで黙らせた後、健良は、グロテスクな程硬くなっている自身をなまえの秘部にあてがいゴム越しに擦り付けた。
先端が入り口を擦る度にびくっと身体を強張らせるなまえの頭を撫でて緊張を解いてから、健良はその膣口に自身を押し入れた。


「…っんっ、あ、あぁ、あっ!」

「…は、…」


健良は狭い膣内にゆっくり自身を埋めた後で、なまえが痛くないのを確認してから静かに動き出した。
薄いゴム越しに締め付けてくる膣の感触が気持ち良くて浅くピストンを繰り返す。ぎしぎしとベッドが軋む音、濡れたシーツ、恥ずかしそうに顔を隠すなまえ。全てが健良の媚薬となる。時折身をかがめて胸を舐めると膣内がきゅっと締まるのが可愛くて、健良は何度も胸に吸い付いた。そんな健良の襟足が優しく撫でられ、不思議に思って顔を上げるとなまえが何故か満足気に微笑んでいた。


「なに、」

「かわいい」


ジェン赤ちゃんみたい、そう言った瞬間なまえはすぐに自分が犯した失言に気が付いた。
健良が無言で体勢を変え、上体をおこし正座の様な姿勢をとると、なまえの両脚を持ち上げ自分の肩に乗せる。


「ぁああっ!」


眼前に火花が散ったように、一瞬、視界が白くぼやけた。健良に突かれる度におよそ自分の声とは思えない程扇情的な声が溢れる。


「かわいい、ね…」

「やっ、あ、あっ!ぁっああ!は…っ、ああっ!」


膣の中から電流が走り、そのまま身体の中心を通って理性をショートさせるような。
自分ではどうにも出来ない快楽におかしくなってしまいそうだった。
心臓がどくどくと音を立て全身に汗が滲む。健良がなまえの右足のふくらはぎにキスをして、可哀想な程声を上げるなまえを見下ろす。


「なまえの方が可愛いよ」

「んんっ…あっ!じぇ、りゃ…っあぁ、んっ、きもちぃ、い…っあ!!」

「…ぁ…、僕も」

「あ、ぅっあ、ああっ…ぃ、いっああっ!」


なまえの身体に力が入ってきて、腰が浮いてくる。健良は肩にかけていたなまえの脚を折り曲げ、抱え込むようにして再度深く挿入する。
散々かき回した膣の最奥にこすりつけるように深々と差し込むと、なまえの呼吸が一瞬止まり、自分を飲み込もうと膣内がきゅうきゅう締め付けてくる。健良は深く息を吐いて快楽を耐えた。


「あ…ぁ、…っ」

「好きだよ」

「あっ!わた…ぅ、あっああっ、はっ、あ あ あああっ!!」


恐ろしい程気持ちの良い浮遊感から一気に開放されたようだった。
ちかちかと脳内に火花が弾けて健良の顔がよく見えない。叫びすぎて喉が枯れている。なまえは放心状態の中で自分の脚がビクビクと痙攣するのを感じていた。


「なまえ…」

「……っぁ、あ、じぇ、んっ!だぁっめ、あっ!」


まだ呼吸の整っていないなまえに健良がのしかかる。熱く汗ばんだ逞しい肩に手を添えて、なまえは健良を受け入れた。
呼吸が荒くなりピストンが激しくなると、健良はなまえの首に顔をうずめ表情を隠す。
なまえは健良の背中に手を回し熱い身体をぎゅっと抱きしめた。


「ジェンすき…あっぁ、!だいっす、き、ぁっあぁ…!!」

「…っ、なまえ、…ぁ…」













「脚が…ぷるぷるする…」

「だから言ったのに。ご飯行くよって」


身体を拭いて服を着させてもらった後、水を飲もうとベッドから起き上がったなまえが数歩進んだ先でぺたりと床に座り込んだ。
なまえは自分の横を軽い足取りで通り過ぎ、目の前で水をがぶ飲みする健良に刺すような視線を送りつける。


「2回もする気無かった」

「…」

「ひりひりするし…」

「…出前でもとろうか」

「…ピザ」

「おっけー」





「ジェン」

「んー」

「好き」

「…僕の方が好きだけど?」

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