2ヶ月

「ゆーい、どこ行ったー?」

変態会長に処女を奪われて2週間。
押してダメなら引いてみよう、と言う言葉をまるっと無視して今日まで会長の永知鷹臣(えいち・たかおみ)は副会長の瀬尾唯(せのお・ゆい)を追い掛け回し、どこでも連れ込み押し倒していた。
泣きわめく唯にも興奮し、涙目にはあはあと更に股間を固くする始末。
憐れに思った会長親衛隊が、唯に対して逃走経路を確保してくれるという異例の事態を引き起こし、学園内は今二人の恋(というか鷹臣の一方的な愛)の行方を予想したりと賑やかだ。

そんな唯は、普段は生徒会にこもりっぱなしだったことをやめ、授業に出るようになった。生徒会は授業免除というものがあるため今まではテスト前にしかクラスにはいかず、のんびりと生徒会でお茶を飲むことが好きだった。だが、鷹臣にあんなことをされてからは憩いの場だった生徒会室にいるのが嫌になった。最初は部屋に引きこもっていたけれど、ストーカー時代のときから唯の部屋に勝手に入って下着を盗んだり、盗撮したりと犯罪を引き起こしていた鷹臣だから、唯の部屋に入ることは造作もなかった。

「や、やです…っ!」
「部屋に招いてくれるなんて嬉しいな。いつも俺が行くときはお前風呂入ってるか、いなかったしなァ」
「招いてないもん!!!!!」

もはや幼い子供のように泣きわめく唯。本気で抵抗されているのにもかかわらず鷹臣は顔を赤らめ、下半身を押し付けると、

「やべえ、もんって可愛いすぎる。勃った」

絶倫という存在が本当にあることを、唯は夜が明けても離れてくれない鷹臣を見て初めて知った。


逃げてもどこに行っても捕まる。
そのうち親衛隊が手助けをしてくれて、隠れ場所を提供してくれた。
今は職員室の机の中に隠れている。
先生たちも止めてくれるどころか、いつ唯が落ちるかなんて賭けをしているぐらいだ。
唯が逃げてきたときもにやにやしていたし。本当に最低!!お山座りで小さくなって隠れていると、職員室の外から鷹臣の声が聞こえた。

「唯見なかったか?」
「しらねーけど。つかお前泣かせてばっかじゃだめだろ?」
「別の意味でもなかせてるから大丈夫だ」
「おー、さすが」

さすがじゃないし、何も大丈夫じゃないです!!!
飛び出して会話をやめさせたくなる衝動を抑えて、唯はひたすら縮こまっていた。

ツカツカ、と足音がどんどん遠くなっていることに安堵のため息を吐くけれど、それだけじゃまだ安心できないと緩んだ気持ちをまた引き締めた。
前だっていなくなったと思ったら行ったふりをしただけで、その場で裸にされて…うう…。
瀬尾唯はちゃんと学習する子である。

「瀬尾、今から職員会議だから、会議室行ってくるわ。鍵閉めとくから、出ていくときは内側からちゃんと鍵開けろよ?」

自分の足元にいた唯に目線を下ろし、ホスト教師が言う。その言葉にこくん、とうなずくと、ぞろぞろとたくさんの足が移動していくのが見えた。そしてガチャンと鍵が閉まる音。


ふとホスト教師の机の下に、大きなうさぎのぬいぐるみが置いてあるのに気付いた。唯が何の気なしにそのうさぎを抱きしめ、ふわふわな感触に顔をうずめていると、外で足音が響いた。
さっき先生たちが行ったばかりだし、誰か忘れ物でもしたのかな?
うにうにとうさぎの耳で遊んでいるとき、鍵が開くとまっすぐに、自分の元へと来る足音が――――

「みーつけた、唯」

にやり、と机の下を覗き込む、鷹臣がいた。



「や、やですっ!!!!来ないでください!!!」

ガチ泣きでうさぎを盾に机の下からどうにか抜け出そうともがく唯。狭いところに隠れていたのがあだとなり、あっさりと鷹臣に腰を捕まれふわりと机の上に乗せられる。
怖くてぎゅうとぬいぐるみを抱きしめると、その光景にますます興奮した鷹臣が唯の唇を奪う。
あのときから数えきれないほどキスをされたので、体が鷹臣の動きを覚えてしまっていた。それが唯にはとても屈辱的なことで、いつまでたっても涙が止まることはなかった。

「な、なんでここが……」
「実はさあ、そのうさぎ、発信機と盗聴器とカメラがついてるんだよね」

その言葉にばっとうさぎを離す。
そういえば、目が、赤くなかったような…。

「職員室の教師一人一人に、俺お手製のぬいぐるみを配ったから、唯がそれに触った瞬間どこに隠れてるかわかんだよね」

青ざめる唯にますます笑みを濃くする。

「職員室プレイもいいよなー。大事な書類がべっとべとになるプレイとか、新しいよな。職員会議から帰ってきたやつらに見せつけるのもいいよな。唯が俺のものって」
「ふ、ふえ…や、やです、やです…」

ぽかぽかと何のダメージも与えれない可愛い抵抗をする唯の手を片手で諌めると、もう片方の手で胸元をはだけさせ、見えた胸にゆっくりと手のひらをなじませるように這わせる。

「ん、ぅ…っ」
「かといって俺の可愛い唯が喘いでる姿を見せるのもなァ…」

話す間にも卑猥に動く手は止まらない。
耳元に唇を寄せると、鷹臣は低くて甘いテノールで鼓膜を震わせた。

「唯が可愛く頼んでくれたら、やめてやる」
「――や、める…?ほんと、ですか……?」

やめるということだけに反応する。
耳元でちゅ、とリップ音を鳴らすと、びくりと体を甘く震わせ、きゅっと鷹臣の服の裾を握りしめた唯が、おずおずと上目使いで唾液に濡れて光る唇から、音を発する。
(可愛く…?く、くん付け、とか…?)

考えた結果。

「お、臣くん…やめて…くださ、い……」



まあ当然完全に元気になった下半身をそのままにするはずはなく、自室に悠々と連れ込み唯を貪った。結果として唯のねだり損である。
廊下ですれ違った何人もの生徒に助けを求めたけれど、みんな涙目で肌蹴て露出している唯の色気に後ずさり、そして鷹臣の誰も寄せ付けないオーラと、来たら殺すという殺人的な目付きに邪魔をする勇者は誰一人として存在しなかった。

「や、やめてくれるって…!」
「職員室ではやめてやっただろ?抱くのをやめるとは最初から約束してねえだろ?」
「う、うそつき……っ!」

うえええんと泣きわめく唯の涙を舌で拭いながら、「臣くんは反則だろ…」と珍しく赤くなった顔で唯を懐柔するのだった。


end


長いし変態だし、こいつどうにかしろよ。
こいつのせいでこのサイトR15になるわwww




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