男の子はわからない


(あれ…?)

(…あれ?)
わたしは終始これだけだった。

城戸くんち。
みんなで遊びにいった。
結局朝まで遊んでて、みんなは一回家に帰るために始発の電車で帰っていく。

わたしはバスが八時からしかないから、
「わたしもうちょっといていい?」
と尋ねると、
「うん、いいよ。」
城戸くんはいつもの王子スマイルで了承したのだった。

さすがに徹夜はきついから、
寝ようってことなってわたしはずっと居座ってた城戸くんのベッドの上に寝転がる。
ちなみに城戸くんもわたしの隣にずっと座っていたから、わたしの隣で寝転がった。

「電気消そうか?」
「ああ、そうしようか。」
城戸くんがゆっくり立ち上がってパチパチと電気を消すと、早朝の部屋がまっくらになった。

それまではよかった。

真っ暗になって数分は二人でごろごろしていたけれど、
「…!?」
急にわたしの腰に城戸くんが手をおいたのだ。
(これは…)
やっぱりだった。
そのまま城戸くんに抱き締められる。
はじめは優しく、時間がたつにつれだんだんと強く。
わたしは必死に考えた結果"狸寝入り"これがいまの状況に一番いい。と

でも、色々悲しいことが多かったからわたしには心地よく感じられた。

ーーーーーーーーー

「おはよう。」
少しよそよそしいあいさつ。

わたしはバス停まで送ってもらい家に帰ると時間的に今日の学校は休んだ。

ーーーーーーーー

夕方

「菊池!なんでお前男の家に一人で残ったんだよ。」
目の前にはつー。
友達が翼に言ったようだ。
「遊んだあと菊池さんだけ、城戸んち残ったんだけど、いくら城戸でもなあ。
菊池さん大丈夫だったかな?」
と。

なんで翼に心配そうな顔で見られているのかはわからない。
「だって城戸くんだし」
「あー。城戸でも、相手は男だぞ?」
男ってわからない。
だってわたしが男だとして、女の子泊めてもぜったいに襲わないもん。
全部"男だから"で済まそうとする。

「だって信頼してたもん!」
「なんかされたのか?」
翼がわたしを顔の下から覗きこむ。
「抱き締められただけ。」
翼の表情はかわらない。

「隣に女がいたら男ってかわるんだよ。
女が家に来るだけで、そういうことオッケーだってとってしまうんだよ。」
翼が強めに言った。

それが理解不能だった。
信頼して、遊びにいって、勝手にそういう行為をオッケーととられて、結局怒られるのがわたし。そして、もしかすると周りの男子に狙ってたとか思われてるかもしれない。

「つーは違うんだね。」
わたしの一言に翼が固まった。

「琴未、それ俺以外に言うなよ絶対。」
「うん。」


つーは絶対わたしに手を出さない。
それは幼馴染みだからなのか、他の理由があるのかはわからない。


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