5
まず、付き添いの人から
「美容院に行くか?」
と言われたが、
「冗談じゃない!」
とピシャリといった。
病院では、
「あっ…。」
あたしは手前にあった響のベッドに小走りで向かった。
どこも怪我はなく、ただ眠っているだけ。
「2人、目を覚まさないの?」
その質問にアメリカの医者は英語で
「大丈夫、きっと目覚めます。」
と言ったと思っていた。
あたしは2人が目覚めるまで病院に泊まっていた。
あたしがアメリカに着いたのは12月26日。2人が目を覚ましたのは1月15日。
あたしがいつも通り2人のベッドの縁に頭を置いてボーッとしていると。
「祭。」
急にあたしを呼ぶ懐かしい声。
頭を上げると、響が目を開けていた。
それからのことはよく覚えてないが、響が目覚めてすぐに奏も目を開けた。
2人が退院して日本に帰ってきたころ、あたしたちは"復讐"という道を進むことを決めたのだった。
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