1-8

※双子視点


対面式が終わって、

奏と弟の響は自分たちのクラスの1年8組へと向かった。

ー中学から俺たちはクラスが離れることはなくなった。
理由は…両親の死だ。
お互いがいて、俺たちはやっと自分を保てる。

半日も離れると、…複雑な気持ちになる。ー


「ここか、」
ー俺たちの世界ははじめはすごく小さかった。

中学で違う部活に入ってみても、はじめは本当にしんどかった。
そんなに話すひともいないし。
しかし、その世界は徐々に大きくなっている気がする。

だから高校では、
少しでも病気が治るように。ー


2人は教室に入って、席が決まってないことを確認して、一番後ろの窓際に腰をおろした。
そして周りを見回す。



すると響が急に思い出したように手を叩いた。

「小鳥は何組だろうね?」「あとで聞けばいいよ。」

その時、
「綾瀬君?」
響の肩を女の子が叩いた。

「なに?」
優しく響が首をかしげる。
その瞬間、辺りの女子がざわついた。

「2人のメアド…聞いていい?」

「あ〜。いいよ。」
ごそごそと響は携帯を取り出して、アドレス交換をした。

「ほら!奏。」
それを聞いて奏もはっとして携帯を取り出す。

女の子はすごく嬉しそうだった。




その時、横から
「おっ!綾瀬響だろ。知ってるぜ〜」
と、
多分見たことのある背の高いイケメンが響の肩を叩いた。

「あっ。あ〜」
奏も興味深くイケメンを見つめている。

「鳥本中学のサッカー部キャプテンの長谷潤!
お前は花中のキーパーだろ〜。
賢いのな。」
潤はニコニコ笑った。

「思いだした!
たしか…去年の総体で。」
戦って負けたのだ。

潤はうんとうなずいてから、
「ってか、双子だったんだな〜。」
と少し驚いた様子で奏を見る。

「響と奏ってよんでよ。」響はニコニコ笑って、奏の肩を叩いた。
つられて奏も笑う。

「じゃあ。長谷か、潤か」

「「はせ〜!」」

なかなか楽しい毎日がおくれそう。


8組のイケメングループが確立された瞬間だった。









「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -