(log)
(10・15)
一年くらい前、図書館で「ペンギンの憂鬱」という本を借りた。寒い地方が舞台で、秋から冬にかけて読みたくなる、グレーな感じの物語。
読み切れないまま返却期限が来て、とりあえず、と思ってしおりひもを挟んで本を返した。ずーっと読んでいたくなるような不思議な本で、読み切らなくても気持ち悪さは無かった。そしてだんだん暖かくなって、その本のことはすっかり忘れていた。
春が過ぎて、夏が終わって、秋が来た。寒くなってきたから、あの本のことを思い出した。借りようと思ったらちょうど貸し出し中で、だから、返却されるのを待つことにした。
そして今日、調べたら、本が返されていた。一年ぶりの再開。どこまで読んだかと本を開くと、本にはさまれたしおりひもは、一年前のままだった。
誰かさん、ありがとう。