「起きろ!三之助起きろ!」
「なんだよっ寝かせろよ」
「作が起きて来いと騒いでたぞ!」
「あーうん」
正直面倒臭い、て言うか今俺の心は傷付いてるって言うのに左門はホント空気読めないって言うのか・・阿呆もそろそろ罪って言うの?
こっちは意中の奴が帰って来ないから沈んでるって言うのに・・・そこに水を足すように水圧を上げて来る。
小悪魔め。
「三之助、早く起きるのだ!」
「・・・左門先行っててよ」
「・・・・・・」
「・・まだ寝てたいんだって」
そう言って俺は布団を頭まで被って包まった。あー、何か言ってて俺が女々しく見えてくるっての・・。
帰って来ないかな・・。
---・・・カバッチョっ!
「なって!寒っ?!」
「うじうじしてるな!三之助!」
「は、左門?」
突然布団を取られて暖かい身体に外気が触れる。秋風は体に沿って風を流す。
「私も寂しいぞ!三之助が相手をしてくれなくてな!」
「・・・っちょ、左門顔近い」
「三之助は私の事が嫌いか?」
「嫌いじゃな、いよ」
「なら、、」
ゴチンッ!!
「痛い゛っ?!」
「それで良い!」
「はあ゛ぁ゛?」
額をおもいっきり打つけて来た左門は直ぐに離してニカッ笑った。俺はそんな事より痛てぇんだけど、なんかどーでもよくもなってきたわ。
左門は静かに立ち上がった、妙に静かに。
「左も、・・」
「・・誰も言わないだけで、気にかけていないわけではないのだぞ」
「・・・・」
そうか、そうだよな。
俺の回りは待ち人だけでじゃねえのに、そうしてしまった俺の目がこいらを待ち人以外に見てしまったらしい。
"いつ戻れるかは、分からないよ"
言ってくれなきゃ気付かねーことを、言われたらムカつく。自分の我が儘に気付かずに、一人寂しい奴を装ってた。
「左門、」
「む?なんだ?」
だけどこうも読めない奴の行動は、俺の手順も全部ガラクタの如く崩される。
だけど、笑みが零れる。
「・・おはよう」
「まだ、目が開いてないぞ?三之助」
「あー、まだ眩しいわ」
「そうかっ」
振り向き笑う左門の後ろから部屋に注がれる日差しも勿論俺の目を開くのを拒む。
だけど、
ホント眩し過ぎるわ、
左門(おまえ)がさ。