企画『青の嘘
short『青の真実
junk『夜とエタノール


 まず初めに言うと、青柳と関の間に恋愛感情は一切ありません。ヤマダはかなり関に入れ込んでいますが、完全に一方通行です。それはこれからも変わりません。

青の嘘

 二万打記念でリクエストを募ったとき、むすか!さんからいただいた「学生がわいわい」というリクエストを元に生まれたものです。この時点では、三人の設定は割とざっくりとしたものでした。

青の真実

▼青柳
 青柳は父親から暴力をふるわれています。体格は青柳の方がよく、対抗しようと思えばできないこともないのですが、彼はいつも逃げることを選びます。幼い頃からの刷り込みと、やはり父が好きで、暴力をふるうことなどできないのが理由です。がっしりした体格に、無表情で無口ときて恐れられがちな彼ですが、実際は公園でぼんやりしたり、意味もなく聖書を眺めたりするのが好きな、穏やかな性格の持ち主です。

▼関
 作中で青柳が言っている通り、関は「全体に色素が薄く、掘りの深い関の顔は日本人離れしている。短くカットされた飴色の髪と、それと同じ色の瞳が印象的で、そのうえがりがりに痩せているので、いつ消えてもおかしくないような容貌だ。けれど喋るとうるさく、外見のイメージとはかけ離れた変人。」です。彼の容姿のイメージは割とはっきりしていて、あるサイトさんで見かけたSD(球体関節人形)がモデルになっています。

▼互いを求める理由
 初めに言った通り、二人の間に恋愛感情はありませんが、それでも二人はお互いを強く求め、必要としています。自覚はなくとも依存といっていい関係です。関の方が強く態度に出しますが、無下に扱ってはいても、実際は青柳の方が依存度は高いです。

▼ヤマダ
 あくまでこの話のメインは青柳と関で、この二人の間には誰も入ることが出来ません。ヤマダくんはどこまでも脇役としての出演なので、漢字もないまま、名前はあえてカタカナ表記にしています。彼は関を好きだという以外では、特別な特徴もない、普通の高校生男子であり、そうあってほしいです。

▼関のピアス
 彼がピアスを開けたくなるのは、体の中がどうしようもない感情であふれたときです。そして自らピアスを開けて欲しいと思うのは、青柳にしか抱かない特別な感情です。彼の初めてのピアスには、おそらく彼が抱える最大の痛みが潜んでいて、それを上書きするかのように、彼は青柳にピアスを開けてもらうという行為をやめられずにいます。ふたりの関係は、数え切れないほどの「気付かないふり」と「嘘」で成り立っています。

▼トブラローネ・ミルク
 実在する外国のチョコレイトで、この話を書いた当時わたしが好きだったお菓子です。いくつかが連なっているのを、折って食べる形だったと思います。とっても甘いです。

夜とエタノール

 『青の嘘/真実』のおまけみたいなもので、「違う。アオじゃないからだ」というセリフを関に言わせたいがために書いたような話です。ここでやっとヤマダの恋心が顕著になりますが、青柳はとっくに気付いていました。もしかすると、他にも周りで気付いていた人間はいたかもしれません。それほどヤマダの態度は分かりやすいです。