ぼくの彼氏が消えました

(哀れんでください、イエス)


みどりのさかな
さよならまで、あと
烏の子守
ユダの心臓
全部灰色になった

地面に刺さった黄色い小枝はまるでわたしの血管のやうでありました

イエスは言った
ひとおし
やがて蝶になる屍
犬のアバラ骨
軟骨魚類

一緒に忍び込んではくだらないお喋りなどをした屋上の古びたフェンスも濁った空も分厚い雲も突き抜けてあの人は僕の手なんて一ミリも届かないところに行ってしまったのでした

非日常的真夜中
筋肉自慢じじい
カラカラになったから
まるでポンプ
ぼくの彼氏が消えました

きみの歯並びが何よりも好きだけどその服のセンスだけはどうにも見ていられないほどひどい

シリアスを気取ったギャグなら殴り飛ばしても罪には問われないそうだ

きみがいれたココアは海で拾ったクラゲのにおいがする

この豚野郎は哺乳類でもなんでもありません
(だから何をしてもかまいません)
(キスでもしてしまおうか)