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3.

※慧side

いつになく厳しい声で、

「遊ぶ暇があるなら計画を見直せ」

とやはり視線を逸らして言った。

すがるように皓の服をギュッと掴む。戸惑う気配はしたが、たいして躊躇わずに俺の手を離させるとそのままソファーから立ち上がった。

「疲れた。もう休むから何かあったらメールしろ。おやすみ」

視線も合わせない。名前も呼ばない。

待て、と声をかけることすらできずに寝室に入っていく背中を見送るだけだった。寝室は二つあったとしても一つの部屋で、一つのベッドで一緒に眠ればいい。そう思ったのは俺だけだった。

カチャ、と鍵をかける音がする。俺ならこんな鍵なんてピン一本で容易く開けられるのに、皓もそれを分かっているのにそうした理由は、入るな、という無言の意思表示だった。

「はぁ…」

溜め息が出てしまった。

一人の空間がたまらず寂しかった。

大事なものほど失った時の苦痛は大きい。まだ失ったと確定したわけではないが、引き裂かれるような心の痛みに顔を顰める。呼吸ができないほど苦しくて、鋭く痛む。だが、仕事の途中だから弱音を言えなくて唇を噛んだだけだった。

携帯を取り出す。震えないか、と淡い期待を抱きながら見ていても何も来ない。俺から何か送ろうとしても、どんな言葉を送ればいいのか分からずに結局またポケットに放り込んだ。

(皓、)

好きだ。

お前だけを愛してる。

お前はまだ俺の言葉を信じてくれるだろうか。

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目には目を、歯には歯を。
罠には罠をもって制するのが最善だ。