二周年記念 | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

11.


七番目に強いハンドが、ツーペア。

同じ数字である2枚組が二つ存在し、他の数字である1枚が残るものである。例えば、スペードのQ、ダイアのQ、クラブの10、ダイアの10、ハートの8などである。

八番目に強いハンドが、ワンペア。

同じ数字である2枚組が一つだけ存在し、他の三枚は数字がバラバラのものである。例えば、クラブの3、ダイアの3、スペードのK、スペードの9、ダイアの6である。

最後、最も弱いハンドがハイカード。

5枚のスートが揃わず連続せず、同じ数字がないものだ。つまり、役がない。ノーペアとも呼ばれる。例えば、ハートの10、クラブの9、スペードの5、ダイアの3、クラブの2などである。

(一番強ぇストレートフラッシュかよ…!)

心の中で鋭く舌打ちをした。

今更イカサマする方法はない。相手がイカサマをしたという証拠も掴んでいない。確率は低くとも自然にストレートフラッシュを形成する場合もあるし、パーフェクトシャッフルなんて行っていないと簡単に言い逃げされてしまうからだ。

(最悪だ)

バレない程度に軽くホストを睨んだが、相手は気にもせずに楽しげに笑っただけだった。そして、俺の予想を遥かに上回る行動に出やがった。

「じゃあ、やるぞ」

「……おう、」

なんと、俺から配り始めたのだ。

つまり、俺にストレートフラッシュを渡した。

(はぁあぁあああ!!!?)

後一歩で口に出していたと思う。この時の俺の表情は本当に狼狽えていただろう。

自らイカサマを仕掛けたなら、ストレートフラッシュが先手にあるのか後手にあるのか知らないはずがない。なのに、こいつは躊躇う素振りもなく、一枚目のカードを俺の前に置いた。

慌てて奴の手首を掴んで配るのをやめさせた。きょとんとした表情をしているが、俺がその顔をしたい。実際、しているかもしれない。

[ 12/25 ]
prev / next
[ mokuji / bookmark / main / top ]