【 が好き?】
−Girls talk U−
幼い頃から一緒にいた金髪の少女――という歳でもないけど。
彼女に聞かれ、少し考える。
そうだなぁ‥‥
『実は、背中を見るのが好き』
背中には目がないから。
『あー、わかる! 男の背中ってなんかイーよねぇ』
彼女も同じ感想を持ったことがあるのか、目を輝かせて同意してきた。
ちょっと見るだけだけどね?
少し、ずれて。
『斜め後ろから見る顔も好き』
思考を巡らせているときの真顔は特に、見惚れてしまわないよう、心の中はいつも理性を戻すのに必死。
感覚の鋭い人だから、何だと聞かれたら困るもの。
いつも、言い訳を考えてる。
『わたしも背中、好きよー』
同意する友人の好きポイントは、少々マニアックだった。
“ちょっと疲れ気味なのがイイの”
だとか。
『そっと抱きしめて、癒してあげたくなるわー』
って、彼女はそんな趣味だったかしら?
それは、お互いの初恋の人に当て嵌まらない。
『男の背中って、なんか語ってるよねぇ』
うん。
そこは絶対的に同意見!
哀愁なんて私達にはわからないけど。
いつも足りない言葉の感情は、背中が雄弁に語ってくれている気がする。
口にしない代わりに。
背中を向けて。
男が言葉にできないことを、
女は読み取ってあげるの。
(上着を背中から引っ張って頭から脱ぐのもイイわよー)
(やっだ、いのやらしい!)
(ぐいって、さっさと脱いじゃうの)
(浮き上がる肩甲骨がやらしいのよね)
(サクラも好きなんじゃない!)
女の子の雑談は止まりません。
0430-0802