女の子は好奇心旺盛なんです。


【Girls Talk】



春の風景を彩る色彩を持つ少女が気になっていたことを切り出す。

「そういえばテンテンさんはガイ先生ですよね?」

始め、なんのことだか思い付かなかった少女は、合点するなり盛大に顔をしかめた。

「イーーーッ! ちょ、ムリムリムリ! ありえない!!」

食べていた団子を放り出す勢いで両手を振って否定を表し、ぶるりと震える。
あんな濃いぃ顔が見上げた至近距離にあるなんて耐えられない! ともっともな悲鳴に、一緒にいた二人も顔をしかめた。

「でも、必須ですよね?」

だって、担当上忍でじゃなきゃいけないハズ、と続けると、陽に煌めく長い髪の少女がニヤリと笑った。

「まーねー、わたしもアスマ先生じゃなくてちょっとホッとしたものー」

「え? じゃあいのちゃんの担当は誰になるの?」

いのも担当上忍以外との情報に、ガイの恐怖から復活したテンテンが反応する。

「紅先生よぉー。ヒナタも一緒にねー」

「ずーるーいー!」

サクラからも思い通りの反応が返り、いのは笑みを深くした。

「わたし達ってー、真逆の性格じゃなーい? だからー、二人でコンビ組んだりするのよー。男の夢ってヤツぅー?」

「ホント色々やるのねぇ」

「わたしもくの一にお願いしても良かったんだ‥‥」

会話の着地点など気にしなかったからだろうつぶやきは、当然誰かの疑問になる。
そのつぶやきが聞き捨てならず、すぐにサクラが疑問をぶつけた。

「あれ? じゃあテンテンさんはガイ先生以外ってコトですか?」

鋭い切り返しはテンテンの喉を詰まらせる。

「サ‥‥サクラちゃん、」

それは、そのまま肯定したのと同じ事だ。

「えーッッ誰?! 誰誰誰?!!」

「私達も知ってる人?!」

いのもサクラも一気にテンションが上がり、腰も半分浮きテンテンへ紅潮した顔を向ける。

基本は担当上忍だが、そうでなければ担当上忍が他の上忍に頼むのだ。
そういった心の機微に疎そうなガイだから、他上忍の希望はテンテンの意見も反映されている筈だ。

二人の少女の頭に次々と木の葉の上忍の顔が浮かび、果てはネジの顔まで思い浮かぶ。

「「教えて下さい!」」


キラッキラした目を向け、妙な迫力でもって迫る二人に気圧され、思いきりのけ反る。

これは、迂闊に口にしてしまった自分が悪い。
二人も相手の名を言ったではないか。


「‥‥ゲ・ゲン…マ、先生‥‥」


「「キャーーーーーッッ」」







20080503-0719
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