激しい戦闘中、突然沸き起こった強烈な金色の光が落ち着くと、我等の船長がぐらりとその身体を傾げた。
いや、傾いだのか抱き寄せられたのか‥‥抱き留めたのは、麗しの副船長。
美青年かと見紛う程の凛々しい容姿に加え、間違いなく天然で気障ったらしい言葉を惜し気もなく女性達に垂れ流すもんだから、彼女の親衛隊はその数を推して図れるだろう。
その彼女に腕を回した船長と副船長は、この状況、彼女の軍服がなければロマンス小説もかくや、な光景で‥‥戦場に在りながら、不謹慎にも口笛を吹きたくなった。
離れ難そうな二人の表情とは裏腹に、二人はすぐに抱き合っていた体を離したけど‥‥戦場ではなく、耳目もなければあの二人はまだまだ抱き合っていたんじゃないだろうか。

恋愛事を遠ざけてトンと無縁な船長と、女性ばかりを無意識にたらしこむ(最近はレーン号の水兵にも人気だ)副船長。
ちょっと見、複雑な表情をしているこの二人がくっつくのかくっつかないのかは、一水兵である俺は静かに見守っていこうと、アスファル側に雇われた海賊を薙ぎ払いながら誓った。


20101230
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