短編 | ナノ


もうそろそろ衣替えしようかな。そう思わせるほど最近は涼しくなってきた。
今は6時間目の現代文の授業中で、クラスの3割の人が居眠りしてしまう魔の時間だ。ひんやりした風が吹いてくるとはいえ、何故私の意識ははっきりしているのか。



それはズバリ、私の隣の席の神童くん効果である。



先週の席替えで隣になって以来、私はどの授業でも居眠りをしていない。というか、好きな人の隣で居眠りなんてできる訳ない。
睡魔に支配されつつある教室で今一度気を引き締めると、不意に神童くんが先生にあてられた。教科書を持って立ち上がり、スラスラと読み始めるその姿は本当にかっこいい。そして読み終わって座る姿もとてもかっこいい。ルックスだけで好きになったんじゃないけど、やっぱりかっこいいものはかっこいい。


「……かっこいいなぁ」


思わず呟きが漏れ、自分自身でも聞こえるか聞こえないかの範囲に広がって、消えた。





次の席替えなんか一生やってこなければいいのに。




131009

かっこいいって言いすぎですが、恋ってそんなもんだと思います。






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