好きなものこそ

とある美術の時間。好きなものの絵を自分で決めて描く、という課題を与えられた僕たちは何にするか考えていた。ちなみに美術の時間は2クラスが合同になる時間であり青峰と緑間のクラスと同じだった。

何を描こうかと考えてたら同じことを考えていたのか青峰は下書きの紙にバスケットボールを描きまくっていた。いや、良いことだけどそれじゃあただの丸だよ。その隣には黒子と思われる絵が。水色の鉛筆で塗っていたからわかっただけだが。緑間のをちらりと見ると、おしるこ缶が描いてあった。しかもデッサンで。何故実物を見ずにここまで描けるのか疑問だがあえてなにも言わない。

「何描けばいいんだよ…」
「…青峰、まさかとは思うがそれはオレじゃないだろうな?」
「あ?わかる?結構上手く描けた」
「雑草みたいな頭なのにか?」
「お前の頭草みてぇじゃん」

そう言った青峰の頭を美術の教科書で叩く。良い音が鳴ったな。と客観的に見ていると2人は何故か言い合いになり、何故か!キセキの僕たちをどっちが上手くかけるかみたいな争いになっていた。すまないが巻き込まないでほしい。早く授業終わらないかな。

「よーしわかった。なら誰かに審査してもらおうぜ」
「いいだろう。赤司、頼むぞ」
「はぁ?!赤司だと緑間贔屓じゃねぇか!違う奴にしろ!」
「何だと?赤司様は贔屓なんてしないのだよ!赤司様に謝れ!」
「何で様付けしてんだよ!してもらう気満々じゃねぇかよ!」

公平に頼むぞ!と青峰に迫られ何がなんだかわからないまま審査員は僕になった。2人が描いた絵を見るが贔屓とかなんとか言う前に普通に緑間のが上手かった。青峰は幼稚園児のほうがまだうまいと言えるレベルであって何も言えない。緑間の勝ち、と言おうとしたらぼそりとザリガニなら上手く描けるのに…と呟いたので描かせてみた。

「青峰の勝ち!」
「ちょ、ちょちょ!ちょっと待つのだよ赤司!タンマ!!はぁ?!おま、なんでザリガニこんな上手い…上手いな!リアルなのだよ!」
「ザリガニはな、セミもかけるぜ」
「ウワァアアア…気持ち悪い」

サラサラッと紙に描いたザリガニとセミはさっきまでの絵はなんだったんだと言わざるをえないぐらい上手かった。リアルどころか本物かとおもうぐらいだ。思わず気持ち悪いと言ってしまったが本当に気持ち悪い。この技術を他の絵でも発揮しろと言いたいがもうなんでもいいか。ちなみに僕はなにを描いたかというと、湯豆腐。…湯豆腐。



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