シャルナーク中編 | ナノ


 目を開けたらスカイブルー

あ、オレ死んだんだなって思って目を開けたら見たこともない綺麗な青空が広がっていたらどうする?

「うわっ、夢?」

オレは夢だと思った。もしかしたら死んだことも夢で、夢の中で夢でも見てる?もしくは念能力?

シャルナークが起き上がろうとしたその時、少女がひょこりと出てきてにっこり笑った。

「はじめまして」

「は、はじめまして」

いきなりの少女の登場にシャルナークは驚きながら挨拶をする。

「私はシオンっていうの、貴方のお名前は?」

「オレはシャルナーク」

夢の中の住人(仮)に名前を言い、シャルナークは起き上がる。

「君はだれ?」

「私はシオンよ、名前言ったじゃない」

「そうじゃなくてさ」

君は何者?とシャルナークが聞くとシオンはきょとんとしながら首を傾げる。

「私は私以外の何者でもないよ?」

「あー、うん。オレの質問が悪かった…」

此処は何処で、何故君はここに居るの?とシャルナークが聞き直すとシオンはにっこり笑って言った。

「此処はね、死後の世界なんだよ」

「……はい?」


オレは耳がおかしくなったのか、それとも目の前の女がおかしいのか。死後の世界だと言った。

「生きてた世界で言う天国や地獄と一緒だよ、想像してたのと違うよね」

私天国って雲の上に居るんだと思ってたの、とシオンが言う。

「でも此処には空も山も、水も大地もあるの。死後の世界なのに生きてる世界と変わらないのね」

「待って、全然理解が追いつかない…」

「…シャルナークは死んだんじゃないの?」

「……死んだのかァオレ」

「私は死んだもの。だからきっとシャルナークもそうだと思うよ」

「そっかぁ…」


オレやっぱり死んだんだ、後悔とかそういうんじゃないけど。

「ムカつくよなー」

「なにに?」

「色々」

おもにヒソカになんだけど。

「そうなんだ」

大変だね、とシオンは言ったがそれには心が篭ってない気がして、シャルナークはじとりと彼女を見る。

「思ってないだろ…」

「そんなことないよ。ただ、私はここの方が好きだから。生きてる時より死んでからの方がいいなんておかしいかな」

楽しそうに笑いながら言う彼女に思わず呆れた。死んでからが楽しいなんて。


「とびきりおかしいんじゃない」

「ふふ、やっぱり?」


そしてやっぱり楽しそうに彼女は笑うのだった。



2017.7.1

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