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隣の席のクールボーイ、轟少年。彼はあの有名なヒーロー、エンデヴァーの息子らしい。

エンデヴァーといえば見た目から熱そうなイメージがあるのだが、隣の少年はその真逆の超絶クールな感じに見える。
きっとお母さんはそんな感じなのかな、とか勝手に思っていた。

「なんかようか?」

奏が顔をずっと見ていたからか、轟は奏に聞く。
奏はいやぁ、綺麗な顔だなぁって。とへにゃりと笑って返す。

「綺麗じゃねぇよ」

ツンっとそっぽ向く彼に、男の子に綺麗はないか、ごめんねなんて謝る奏。

「轟くんかっこいいよ」

言い直したそれに轟は顔を赤くした。そんなふうに言うとは思わなかったのだろう。

「別に…、普通だろ」

「いま轟くんはクラスの男子を敵にまわしたよ」

「なんでだよ」

「轟くんが普通なら、もう普通の人は道端の石ころレベルだからね」

「他のやつに失礼すぎるだろ…」

「それもそうだね、ごめん」

「俺に謝られても困る」

「だよね」

ははっ、と笑う奏。

「変なヤツ…」


このクラスになって数日で轟は隣の席の少女を変なヤツと認識したのであった。



2016.5.29

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