1周年記念! | ナノ


明け方4時はまだ暗い



ふと目を覚ますと、俺の腕の中で眠っていたはずのエアがいなかった。
代わりにあいつが俺に食われねぇようにと体に巻きつけていたはずのブランケットが俺の体にかけられていて、眠気なんか一気に吹っ飛んだ。

「エア!」

ボウガンを片手にテントから飛び出したと同時に叫んだ俺のすぐ目の前でビクリと体を震わせたエア自身に俺も驚き、思わず頭をぶん殴りそうになったが何とか抑え込んで軽く叩くだけにした。
それでも『痛い!』と小さく呻きながら色々と文句を言うエアの手元にある小さな蝋燭に気づいて思わず眉間に皺を寄せた。

『ちょっと寒かったから、ハーシェルにお願いして借りてきたの』

俺の眉間の皺と視線に気づいたエアが苦笑しなが説明する。
今夜はいつもと違って確かに寒いが、俺には必要ない。

「……黙っていなくなるんじゃねぇよ」
『あ…、ご、ごめんなさい…』

頭を下げて素直に謝るエアの手を握りしめてテントの中に入るように促した。
平らな場所に蝋燭を置いてクスクスと笑うエアに訝しげな視線を送る。

「エア、何笑ってんだ」
『だって…、ふふ、ダリルが可愛いんだもん』
「……は?」

布に寝そべりながらエアを引き寄せて抱きしめると、あろうことかこの鈍感女は手を伸ばして抱きついてきた。
負けじと俺もエアを抱きしめる腕に力を込めて、シャツから曝け出されている真っ白な首筋に唇を押し当てた。

『私がいなかったから寂しかったんでしょ?』
「ふざけんな。……驚いただけだ」
『……そっか』

ちゅ、とリップ音を響かせると同時にエアの体がビクリと揺れ、俺の中に眠る欲が目を覚ます。

「エア…、……寒くねぇか」
『……ちょっとだけ、寒いかな』

それから2人で笑い合い、キスをして、エアの服を脱がせていく。
ユラユラと揺れる蝋燭の炎が、柄にもなく幻想的だと思った。



back


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -