※近親相姦






 神に背いたぼくたちに癒しをくれるのはこの薔薇園だけだ。
赤々と情熱的に咲き誇る薔薇、処女の如く純潔な白の薔薇、奇跡の青の薔薇。それらだけがぼくと妹の背徳を赦し、ぼくと妹を祝福してくれる。
「にいさん」
蜂蜜みたいな甘い声がぼくを呼ぶ。薔薇色の頬がぼくの情を掻き立てる。
「にいさん」
甘えた声でぼくに擦り寄る妹を腕に閉じ込めて、彼女のマシュマロみたいに柔らかい頬にキスをする。あまい。今度は唇にキスをした。あまくてあまくて虫歯になりそうだ。
「ねぇ、にいさん」
「なに?」
「わたしたち、これからもずっと一緒よね?」
「当たり前じゃないか」
そういって彼女の首筋に顔を埋めた。
 ぼくがおまえから離れていくわけないじゃない。ずっと一緒だって、毎日午前零時ベッドの中で抱き合いながら約束してるじゃないか。
「心配しなくていい」
「え?」
「ここにはぼくたち以外の誰も来ないよ」
「えぇ。えぇ、にいさん」
ここの薔薇たちはぼくたちの味方だ。ぼくたちの聖域を侵そうとする輩がいようものなら、薔薇たちの千本の針が不届きな輩の体を貫くだろう。誰にも邪魔はさせない。ぼくたちの邪魔はさせないよ。とうさんにもかあさんにも、神さまにだって、ぼくたちの仲を裂けやしない。
「おいで。こっちに、おいでよ」
「あぁ、あぁ。にいさん」
抱きあって倒れ込んだぼくたちを薔薇たちの棘が包み込む。妹の服の下に手を入れ、冷たい肌に手を這わせると彼女の唇の隙間から熱い吐息が洩れた。
「ぼくたちずっと」
「、ん」
「一緒だよ?」
「は、ぃ」
ぼくたちの体が薔薇に溶かされていく。









薔薇に溶けた日々を





20100909

お題元:カカリア


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