▼気がつけば骨抜きにされてた



「君に伝えたいことがあるんだ」
染岡くんはまっすぐに僕の目を見てくれる。僕の大好きなアツヤの目だって、まっすぐに。
そんな彼が大好きで仕方なかった。
初めて上がらせてもらった彼の部屋は、決して綺麗とは言えなかったけどなんだかそこが染岡くんらしくて。僕は彼のまだまだ柔らかい背中に頭を乗せる。
「サッカーに出会えてから、君は僕の最高の友達で相棒で仲間……重いなって我ながら思う」
はは、と笑う。それでも彼は変わらず真剣な目で、心地よく胸が戦慄いた。
「でも、世界で一番素敵なチームで、世界で一番素敵なサッカーを、世界中の素敵な人達とできた。僕の心を置いていける場所や人が増えた。母さんを父さんをアツヤを、まるごと抱きしめていられる。みんな忘れろと言ってくれなくて、僕は、ひどく世界が澄んで見えたよ。だってみんなも忘れられやしなかったんだからね」
まだ少しだけ轟音が恐ろしいけど、一緒に居てと言える人達がいる。それだけで僕結構、敵無しなんじゃないかと思ってしまう。そんな人達の代表は、そう、染岡くんなんだ。だから伝えたかったの、聞いてね。この繋がりが、柔らかいものでありますように

「ありがとう」

「…俺も」



背中と頭ごしに来た君の震動は、いつまでも僕の鼓動を速めてやまない

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ありがとうは魔法の言葉
笑顔が一番似合う/例いこの世が障害物で溢れてしまっても伝えられる/みんな嬉しくなっちゃうね
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BGM/Tell Your World
吹雪くんにとって世界は染岡くんとサッカーのわっか/上も下も後ろも前も、一人で見られるきらきら世界、それで隣に誰かがいるのって素敵じゃないかな


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