▼怪獣は泣き虫でした



天気は一日中雷雨で、吹雪も朝からずっと雷雨だった。なんか日本語がおかしいな、ようは吹雪士郎も大荒れだったってことだ。俺にできるのは、吹雪の傍にいること。
「吹雪、続きは風呂でいいか?」
「う、うっう、ひぐ、いい、よ」
「ほら、行くぞ」
「うあぁ、染岡くん、手冷たい」
「…お前が寒がってるからだよ」
吹雪の顔とジャージの裾袖は、涙と涎と鼻水と恐怖でぐちゃぐちゃだった。貸した俺の肩(のところのジャージ)にもそれらの蹂躙した痕がある。吹雪がまるで怪獣みたいに思えた。



(おれはいったいなんなんだろう)


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