▼フラミンゴ色の午後



「死ぬほどつらいんだ、お前が大好きなのが」
もし微笑みでもされたら、俺は死んでしまうのかも、しれない。そう言った源田の手はとても冷たいのだが、彼の目は見えない。耳だって、余程の大声で叫んでもウィスパーがひそりと聞こえたかも、くらいにしか捉えられなくなっている。源田は、寂しがりで強がりだった。ひたすら可愛かった。ちゅ、とキスをしても源田は腕を空中にさまよわせ続けた。萌、一瞬呼吸が止まってしまったみたいだ、すまない、と源田が泣いた。とうとう源田は、触覚もなくなってしまった。残る鼻も機能してるかはあやふやしている。あやふや、してる。それは源田に限らない。だって現に、僕はもう声が出ないのだ。






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それでもお互いの存在があるのだけはわかるの/世界でいっとうつらい病室で
キリン町さんから


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