うちの学校の義務である
"校長がボケたらコケる"
を適当にこなし、
「校長のボケ、去年と比べてレベル落ちてきたんとちゃう?」
「せや、うちのダブルス2の方がおもろいわ」
とか後ろの白石と話してたら、

「先生!怪我人です!」

どっかのだれかが盛大にコケて、その下敷きになった奴が怪我したらしい。
アホやなあなんて笑ってたんやけど、そのアホはなんと一氏ユウジくんやった。

朝会にも飽きたので俺らでユウジを抱えて保健室まで行った。そういや保健の先生も朝会出とるもんなあ。空いとらん。とりあえず部室に行った。だいぶ遠回りや。

「浪速のスピードスターのこの謙也様だけやったらもっと速く着いたっちゅー話や!」
「かんにんな、ユウジ。謙也が自慢の足を生かして先に保健室空いてるか確認したらよかったんやけど」
「何やて!」
「いや〜両手に華で嬉しいわ。二人ともありがとな」
ユウジが申し訳なさそうに笑う。この笑顔のためにやってるようなもんや!消毒液探してたらオサムちゃんが(たぶん)サボりに来て
「おー!なんや朝会さぼって練習か、感心やなあ、1こけしやろう!…って朝会行けや!」
ノリ突っ込みしてユウジを引き受けてくれた。俺と白石は渋々体育館へ戻ることにする。


「ほんまに俺一人やったら速く着いたのになー」
「俺だけやったらおんぶしてあげたのに」
「俺やったらお姫さまだっこや」
「謙也が王子て、面白くもなんともあらへんわ」
「エスクタシー言う王子がどこにおるんや!俺の方が適任やな」
「俺かて負けへんわ」
「ほなら先に体育館ついた方が勝ちやで!」


よーい、どん!よっしゃ、スピードで俺に勝てる奴なんかいないっちゅー話や!その前に、こういうのは言い出したモン勝ちや!余裕でふりかえると白石はゆーっくり、カブトムシばりにゆーっくり歩いてきた。

「謙也、負けた方に残念賞の一氏ユウジ贈呈ってコトで!」
「なんやそれ!勝ったモン勝ちや!商品は俺が貰うで!」
「誰が残念賞や!」

白石の後ろから盛大な突っ込みが聞こえてきた。さすがすぎるやろ。
「ってユウジ!何でこんなところにおるん!」
「すりむいたくらいで大げさやな…手当てしてもらったから大丈夫や!で、謙也はなんの商品貰うん?」

なあ、なあ、ってユウジが俺と白石を交互に見ている。小動物みたいやな。
白石がお前のことやで、ちなみに俺が貰う〜とか告白しないかめっちゃ心配で内心汗だくやったけど、当の本人は変な消しゴムの話やって言ってくれてユウジも「謙也らしいわ」とか納得しとった。安心安心。


でもな、学級に戻るとき、フォローさすがやなって言ってやったら白石の奴、なんて言うたと思う?

「謙也、ユウジは元から俺のモンやで」

ちゃうわ!俺のや!
あと俺どんだけ消しゴムキャラやねん!


20100309
20140409修正
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