漸くお昼を告げるチャイムがなると待ってましたとばかりに教室は騒がしくなった
先生も心做しかいつもより早く教室を出ていく、きっと先生もご飯楽しみなんだろうな




「凉音、屋上行こうぜ」




声の方に顔を向けると一護がお弁当の包を持って立っていた

お昼ご飯、少し前までは一護達と屋上で食べるか、織姫たちと教室で食べるかその日によって変えてたからこうしてお昼の時間になれば誘ってくれる、んだけど…



「あー…今日はたつきたちとお昼食べる」

「またかよ」

「あは、最近恋バナが盛り上がってて…
それに下までパン買いに行ってから屋上まで階段上がるの面倒だから」




逃げるように教室を出た


また断っちゃった…
本当は一護と朽木さんが仲良くしてるのを見るのが好きじゃないから
転校初日からそうだったけど2人は授業中でも構わず2人でどこかに行くし、放課後だって一護は最近家にいる時間が少ない
この前まではほとんど一緒にいたのになあ

いや、だからって朽木さんが嫌いってわけじゃないよ
好きにも嫌いにもなるほど接したわけではないし
それに多分、いやほぼ間違いなく1度は命を救われてるわけでもある理由でむしろ感謝してる。


ただ何となく、当たり前にあった私の居場所が今はない気がして2人のそばにいたくないだけ





「我ながら理解に苦しむ感情…」



仲良くなりたいとは思ってるんだけどな、いざ話しかけようと決心してもふたりでいる所を見てしまうとにげてしまう

このなんとも言えない感情を外に出したくて廊下にしゃがみこんで深くため息をつく


そろそろ一護離れしないといけないのかも…




「ム、どうかしたのか凉音」


「わっ、おはよーチャド遅刻なんてー…って、その怪我どうしたの!?」




髪の毛で隠れてるけど頭に包帯が巻いてあるしほっぺたに絆創膏…手にも、腕にも…。

痛そう、




「頭のは…昨日…鉄骨が落ちてきて…」


「ヒェ…鉄骨…」


「手とかは朝学校に来る時にオートバイと衝突した…」


「だ、大丈夫?」




寧ろオートバイと衝突してその怪我で済んだってほんとに…うん、チャドだなあ…

普通の人間だと今頃病院で入院になってそうなものだけど




「問題ない。ただ…オートバイの人が重症だったから病院に…」


「運んであげたんだ…なんというか、チャドの丈夫さは相変わらずだね
無事でよかったけど」


「コンニチハ!」



チャドの不死身の体に感心しているとこの場に似つかわしくない甲高い声が聞こえた

チャドの裏声?っと思って彼を見たけどどうやら違うみたいで
背中にしょってた鳥かごを下ろして見せてくれた



「オカメインコ?」


「コンニチハ! ボクノナマエハ シバタ ユウイチ!
オネェチャンノ ナマエ ハ?」




なんとなく、違和感。
嫌な感じではないけど、どこか幽霊に近いそんな気配がする
たぶん、このオカメインコから




「………。」


「凉音?」


「あっ、えと、私の名前は黒崎凉音。
凉音って呼んでね」






「じゃあ私、お昼買いに行ってくるから」


「おう…」




また鳥かごを背負って歩いていくチャドの背中が一瞬歪んだ気がした




――――――――――



「凉音最近こっち(教室)で食べること多いわよね」

「ま、漸く黒崎なんかよりアタシは」

「あー、うん。まあね」

「凉音黒崎くんのこと避けてる」

「避けてはないけど!」



たしかに気がつくと避けてるけど!
学校の行きと帰り以外はあまり一緒にいないけど

避けてるのは私だけど寂しいけど、でもどうしてかな
一護



「朽木さんでしょ」

「へっ!?」

「わっかりやすー!
朽木さんに一護取られて」

「取られるも何も元々私のじゃないし
そんなんじゃ、無いけど…無いはずだけど…ないとは言えない…」

「黒崎のどのが、黒崎のことが好きね」

「だって、小さい頃からずっといっしょで…
なのに、」

「そんなんじゃ黒崎に彼女が出来たらどうするわけ?」




確かに、この先一護に彼女が出来れば私はあまりそばにいれない訳で…

一護離れするのにいい機会なのかも





「私、朽木さんと仲良くなりたい!」


「今の話の流れでどうしてそうなった」
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