イタリアの小さな町の私が働く小さなカフェ
この良く言えば歴史の古い、悪く言えば寂れたお店に来るのはほとんどが常連さんで皆それぞれゆっくりとお昼の時間を過ごしている
テーブル席にはちらほら、カウンターには1人
客入りがいいとは言えないけれど常連さんたちがそこそこの頻度で来てくれるお陰でなんとかやっていけてる
「かりんちゃん久しぶりだね
マスターに聞いたけど風邪引いてたんだって?」
「そうなの…久し振りに辛かったよ」
実際は風邪なんかじゃなくて、マフィアの襲撃を受けてたんだけど。
私たちは少人数のファミリーだからなめられているのか領地を奪いたいファミリーに襲撃されることが最近増えた。
…全部返り討ちにしてるけど
うちは少人数精鋭なんです!
まあ結果的にそこで怪我をすることは無かった
けどうちが大惨事になっちゃってそれを片付けるためにカフェはお休みをいただいていたってわけだけどそれを話せるわけもない
「元気そうで安心したよ」
「ご心配お掛けしました、また来週も休んじゃうけど…」
「あれ、そうなの?」
「そう、久しぶりに日本に行くことになってね」
「看板娘が来ないとなるともっと客足が減るんじゃない?」
「ふふ、私目当てできてる人なんていると思う?」
此所に来るお客さんといえば私が働く前からから来てる人ばかり
ここが観光地からも遠いっていうのもあるけど最近近くにチェーン店ができちゃったから余計に新しいお客さんがこなくなってしまった
「こんな美人がいると知られりゃあ直ぐにでもそんな客でいっぱいになるだろうね」
「どうもありがとう、
褒めてもらってもなにもサービスできないけど」
そう言うと彼も残念だなって笑う
日本…しかも並盛ってすっごくひさしぶり。
同窓会の案内が来たときは行かないつもりだったけど親友にあんたも行くでしょ、久しぶりに会いたいななんて言われたらいくしかないでしょ?
ああ、早く来週にならないかな