とっても好きな人


いつだって最後は「仕方ないですね」ってため息ひとつでやってくれるあなたがとっても好き。
本当にいけないことは叱ってくれるあなたがとっても好き。
気付けば隣にいてくれるあなたがとっても好き。

「ねぇトレイー構ってよぉ」
なんだか分厚い本を読んでいるトレイだけど、見付けちゃったんだから仕方ない。構ってもらうために近付いてみるけど反応なし。
「トーレーイー」
ツンツンしてみるけど反応なし。
「ねぇってば〜」
強めに叩いてみるけど反応なし。
「ん〜」
メイスを振りかぶってみた。これで反応なかったら殴っちゃおうかな。
「シンク。ここは教室ですよ」
お、反応あり。
「気付いてないのかと思ったんだよ〜?」
首を傾げてそう言ってやればやれやれ、といった感じで本を閉じた。
「次のテストではクイーンに負けるわけにはいかないですからね。勉強をしていたんですが……」
「えー!?次のテストってまだ先じゃん。いいよ遊ぼうよ〜」
まさかの発言。シンクちゃんびっくり。だってテストはまだまだ先で、もしかしたらミッションで無くなっちゃうかもしれないのに。
「読書はテストだけでなく様々なことで役に立ちます。シンクも読んだらいかがです?」
「え〜いいよぉ」
脇にある本を差し出されたけど受け取らない。
「頭いいトレイがいつも傍にいるから大丈夫だよ〜」
ねぇ、そうでしょ?一人きりでいなきゃいけないことなんてないんだから。
「……テストでは力になれませんからね」
そう言って立ち上がったトレイは「仕方ないですね」って言って「何をするんです?」と続けた。
「えへへ〜とりあえず中庭にでも行こー!」
やっぱりあなたがとっても好きです。






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