冗談でなんて終わらせない


もし、もしもだよ?

そう前置きして話した内容があまりにも酷いもので思わずジャックの顔を見て固まってしまった。

「セブン?」
「あ、すまない。急に変なこと言うから」
そう。本当に変なことだった。「抱き締めてそれからキスしてからそっと押し倒したいって言ったらどうする?」だなんて。何を考えているんだこのバカは!
「もしもだってば〜。でもわかったよ。セブンってばそーゆー反応するんだねぇ」
あはは、と笑うジャックが普段通りで助かった。だけど、からかわれたままっていうのはなんだか釈然としない。

「ジャック」
「んー?」
いつまでも笑っているジャックを呼ぶ。彼はこちらを見る。にやついている唇に自分の唇を重ねた。

それは一瞬の接触で終わり。
「あまりからかうなよ」
自分でやっておいて恥ずかしいからふい、と顔を見ないで言う。
しかし反応がない。
「ジャック?」
心配になって顔を覗き込んだら固まっていた。もしかして嫌だった、とか?
「あの、悪かったよ」
「セブン!」
「は、い……」
名前を呼ばれたのと同時にぎゅ、と抱き締められる。急展開に心臓がバクバクいってる。

「もしだなんて嘘。冗談じゃない。全部やりたい」
「……好きにしろ」

私も「どんな反応するかと思えば」と冗談で流すつもりだったのに。

どうやらお互い冗談では終わらせないつもりらしい。








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