Juliet

 ばかな男だ。こんな事で熱が冷めやる訳がなかろう。
 理解していても、そんなばかな事もしてみたかった。今はそれで良いだろう。
 秋の雨、冬も近づくこの季節の雨は、程よく頭を冷やすのにちょうど向いていると、単純にそう思った。思った瞬間、ばかばかしいと言いつつも、冷静さを欠いた身体は言うことを聞かんものだ。気がつけば俺は荷物を投げ捨ておもむろにニットを脱ぎ、ネクタイをその場に散らかし飛び出していた。ならばこの身体ごと冷ませば良い。
 思ったよりも激しくなる雨が俺を責め立てるように降り頻る。何をしている? 何になる? まるで語りかけるように。
 わかっている、俺がしていることは何の意味もないかもしれない。だがそうせざるを得なかった。そうしなければ夢も、今も、"お前"も、失ってしまうと思った。失うことが怖い、何もかも。自分のものなど何ひとつ無かった俺は、得てしまったばかりに、こんなに怖れている。
 なあ、お前が俺だったら、どうする、時雨よ。

 雨が、叫んでいる。





 学園の文化祭。私達は演劇をする事になり、クラスでロミオとジュリエットを演じました。
 ロミオ役は真斗くん。
 ジュリエット役が私。
 担任の月宮先生に演目を提案した頃には、クラスの皆はもう既にそれぞれステージを使った各自の出し物を決定していて、クラスの演劇に参加してくれたのは片手で数えられる程のメンバーだけでした。それでも、例え演劇のキャストとして参加することはできなくても、大道具小道具、衣装作り、照明や音響、舞台を作る為にクラスの皆さんは手伝ってくださいました。ひとつの舞台の為に、皆さんと一緒に遅くまで準備をして、沢山考えて打ち合わせをして。その期間はかけがえないほど楽しかったんです。

 私はジュリエットのドレスやシルエットに漠然としたイメージしかなくて、デザインにとても苦戦しました。ひとりではどうする事もできなくて、トモちゃんに相談すると、被服に興味を持っていたりファッションに自信のある女の子達も集まって来てくれて、皆でわいわいと話し合いました。ジュリエットの歳や性格、私の体型も考慮したり、相手役である真斗くんにも意見を仰ぎながらどんどんデザインを生み出していきました。
 一度はお裁縫上手な真斗くんが製作を申し出てくださったんですが、トモちゃんが「ロミジュリのふたりはいっせーので見せあいっこさせるんだから」と、デザイン案さえ徹底的に隠していたようで。「まさやんをびっくりさせるぐらい春歌を綺麗に仕上げよう」と、私よりも周囲の女の子が盛り上がっていましたが「一番頑張るのは春歌なんだからね!」と皆さんから渇を入れられ、私も気合いを入れて練習に取り組み、メイク等の勉強もしました。
 ジュリエットやキャストの衣装作りは、上手な女の子のクラスメイトを中心に進められました。本当はジュリエットの衣装だけでも自分で教わりながら作りたかったんですが、演技に関して一番心配されていたのも私だったので、そちらに集中するように皆さんは言ってくれました。それでも任せっきりでは申し訳ないので、数人の衣装係りの女の子と一緒に手芸屋さんに行って素材を選んだり、店員さんにアドバイスを頂いたり、実物のドレスを見に行ったり、ちょっぴり寄り道をしてみたり。そんな時間は今まで経験したこともないようなきらきらしたひとときでした。

 デザインに時間がかかってしまって、完成が遅くなりご迷惑をかけてしまいましたが、出来上がったドレスは想像していたよりもとても素晴らしく、身に纏った私を驚くほど変えてくれた気がしました。ドレスがあまりに素敵だったので、少し不安になっていると、製作してくれた子や一緒にデザインを考えてくれた皆さん、トモちゃんまでうんうん満足そうに頷いてくれたので不思議と自信が持てました。

 そして真斗くんも、とても綺麗だと褒めてくださいました。
 とても恥ずかしくて、嬉しくて、甘い感情でした。
 ロミオ様の衣装を纏った真斗くんも、本当にかっこよくて素敵で、ロミオ様そのもので。こんな人と、舞台の上とは言え、ひととき恋人を演じられるんだと思うと自然と気持ちが昂ってゆく。恐れ多いと思いつつも、彼の恋人役に選ばれた事を一番実感した瞬間だったかもしれません。

 けれどふと、教室や、見守る僅かのクラスメイト、その制服、その胸の校章がひとたび目に入ると、まるでジュリエットが煽った毒薬のように、静かに、確実に私の心は押し殺されていく。
 ああ、この気持ちはいけないもの。そう思わなくてはならない。決して抱いてはいけない想いがある。芽生えてはいけない感情がある。
 真斗くんは私を褒めてくれた訳ではありません。このドレスが、デザインが、よくできている。そう言う意味の言葉。決して自惚れてはいけません。

 そして当日。私は、あなたを突き放してしまった。突き放してしまわなければ、いけなかったんです。
 どうしてあなたは、舞台の上であんな事を、あんな言葉を、あんな瞳を、苦しいと泣き出しそうな辛そうな表情を。真斗くんもきっと、本当はわかっていたはず。それでも心は止められなかった。突かれるような衝動だった。そんなことは私もわかっていました、いえ、伝わっていました。だからこそあの時、瞳を閉じて、一瞬彼に身を任せてしまったのは他でもない私自身。いいえ、あれはジュリエット。私の心の中でロミオとひとつになろうと焦がれるジュリエットを消し去りたくて、気づいたら私はロミオ様の姿のあなたを突き飛ばしていた。
 力一杯あなたを拒絶した自分が信じられず、ショックを受けている間に幕は下がり、キャストの皆さんがカーテンコールの為並ぶように促してくださいましたが、私は震えてうまく笑顔を作れず、暖かい拍手を送ってくれる観客席に辿々しくお辞儀をするのが精一杯でした。ですが皆さんのフォローのお陰で、なんとか劇は無事に終了。色んな方から良かったよと感想を頂き、クラスの皆さんと大成功だととても喜びあいました。

 けれどそれから、真斗くんとあまり口をきけなくなりました。頭を冷やす、距離を置きたい。そんな風に言われて。
 私も文化祭での舞台の気まずさもあって、最初はそれに甘えていた部分もありました。でもこのままではいけない。距離を置きたいその理由さえまともに聞いていないんです。それぐらい知りたい。

 舞台の直前。あなたは、あなたのお父様が会社で「恐怖の大王」と呼ばれている事を話してくださいました。そしてあなたも、お父様が怖くないわけではないと打ち明けてくださいました。
 こんな事を話せば、きっと誤解されるかもしれませんが、今の私にとっての恐怖の大王は、あなた。あなたに会うたび身体が凍りつく。話しかけたくてもどうしたらいいかわからなくて、脚が手が震える。まるで機嫌を窺う部下のようです。

 私は間違った事をしたんでしょうか。仮にあの時、ふたりの感情の思うままに行動していれば、ふたり共今頃もうこの学園にはいないでしょう。

 いいえ、きっとそれはきっかけに過ぎなかったんです。私が突き飛ばしたぐらいで口をきかなくなるような心の狭い方ではありません。もっと他に、私に言えないような大きな問題があって、それを落ち着かせ、考える時間が欲しいだけなんです。
 ……それはどうしても私に話せない事ですか? 私達はパートナーなのに、お互いの辛さ苦しみもわかりあえないなんて悲しすぎます。あなたは今、何に苦しめられているんですか。それをわかってあげられない、理解してあげられない私が、私は自分で歯痒くて仕方がありません。

 辛いです、苦しいです、切なくて悲しいです。あなたと同じように。
 あなたが一体何に怯え、怖がり、悩んでいるのか私にはわかりません。でもきっと同じように、もしかしたらそれ以上に。

「いたい、です……」

 放課後の校舎で気がつくとぽつりと呟いていた。
 先生の頼まれ事で、職員室で手伝いをしていたんですが、すっかり遅くなってしまいました。空は段々と雲行きが怪しくなってきています。ひと雨くるかもしれません。その前に急いで寮に帰らないと、きっとトモちゃんが心配します。教室へ戻って鞄を取らなきゃ。

 ―――それは偶然に過ぎないけれど、私達は運命に恵まれ過ぎていて、好機と言うものに麻痺していた。

「あっ」

 降りていた階段の先の窓の外。今まさに真斗くんが横切って歩いていた。たったそれだけ、通りすぎた一瞬の事なのに、私にはそれが時が止まったように思えました。やっぱり、身体が凍りついて、動かない。走り出して、窓を開けて、名を呼んで引き止めて、話したいことが沢山ある。伝えたいことも沢山あります。
 さあ春歌、声を出して。あの人の名前は何と言うの?

「真斗くん!!」

 下の名前で呼ばれる事が気恥ずかしいと笑ってくれた。その日に初めて手を繋いで歩いてくれた。転んでしまっては危ないからと言うその頬は、夕日に照らされて仄かに赤みが差していた。私の頬はきっともっと赤くなってしまっていたでしょう。体も頭も、握られた手のひらも、自分でも恥ずかしいくらい熱かったのですから。
 今はほら、ひとりだから、あなたがいないから、こんなに寒くて、すっかり冷えきってしまって。

「待ってください、真斗くん……!」

 いつも差し伸べてくれるあの腕はあんなに長くて力強いのに、どうして私の腕は残酷なほど頼りなくあなたに届かないのだろう。
 その澄んだ甘い声は何人もの人が足を止めてしまうほど聞き惚れてしまうものなのに、どうして私の声はあなたたった一人さえ振り向かせられないのだろう。

 急に走り出したせいかふらついてしまい、転びそうになったところで手摺にしがみついてしゃがみこんだ。はっと見上げた時には真斗くんの姿はもうなくて。

「聖川様……っ」

 しんと静まり返った校舎の階段で、私はその場で声も涙もこぼさず、ただ叫び出したくて、でも吐き出す場所がわからずうずくまった。乾いた唇を噛み締め、絶対に嗚咽を漏らしたくなくて両手で口を覆った。

 本当は知っているかもしれない、それは知ってはいけない。
 わかっている気がする、でもわからない振りをしなくてはいけない。



 なぜ?



 そんな疑問さえ振り払わなくてはいけない。この制服の校章を、掟を守らなくてはならない。
 どうして私はこんなに苦しい思いをしてまで、決まりを守ろうとするの? 夢の為。私の夢を叶える為。本当にそうでしょうか。退学処分になって、彼に会えなくなる事が寂しいだけではないの? ……違う。こんな時期に私が退学になってしまえば、あなたは夢への道を断たれてしまう。そんな事は絶対に駄目。あなたはプロになれる人。ならなくては駄目なんです。あなたの夢は私の夢、ふたりの夢。ただあなたに必要とされる存在でありたい。
 ただのパートナーで構わない、それ以上なんて望みません。真斗くんの歌を、あなただけの為の曲を作る。ただそれだけ叶えば良いんです。真斗くんはプロになる。婚約者もいる。だから私は、それだけの存在でいたい。他はいらない、望んではいけないんです。望んじゃ、駄目なのに。

「だめ、なのに」

 手のひらで触れた校章の上から、心臓を抉り出すように胸を掴み、思いのまま指を食い込ませ握り潰した。

「っ……いたい、よぉ……っ」

 どうして痛むの。これは私の心ではないのに。引き離そうとすると、忘れようとすると、自分でも止められない程にどんどん溢れてくる。これ以上押し殺してしまっては、もうだめ、壊れてしまいそう。

 薄暗い空から小さく轟きが響く。
 私は歪む視界の中で立ち上がり、ふらつく足を前に前に突き出して走り出しました。随分と見慣れたはずのいつも廊下が、人影もなく、どんよりとした空のせいで不気味にさえ感じる。
 お願い。これ以上私を寂しい思いにさせないでください。
 走りながら窓の向こうの空を見上げると、足を縺れさせ、派手に転んでしまった。
 反射的に床につき擦りむいた手のひら、打ち付けた膝、全身に響いた衝撃が冷たく身体中に行き渡る。寝そべった廊下の床さえ、冷たく責めてくる。

 どうしてそんなに冷たくするんですか? 私は、あなたと一緒にいたい。例えあなたがそうでなくても。そんな訳はないですよね? だって嫌いなら、私が嫌なら、そう言ってくれれば済むんです。なのにあなたはそんなこと言ってはくれません。嘘でも。何より私を見るその視線は、今も変わらず、いえ、前よりもっと熱くて、切なくて、もっともっと切なくて。今にも泣き出しそうなあの空みたいに。私もいつも、同じ目であなたを見ているのでしょうか。

 ねえ、真斗くん。

「お前は本当によく転ぶ」

 そう言ってそっと手を差し伸べる彼の優しい笑顔。へたりと座り込む私が、その手に触れようとすると跡形もなく消えてしまった。
 目の端、静かに凪いでいた木の葉っぱが、音を立てて上下に重く揺れた。
 宙に伸ばした腕の力を抜くと、雨粒に打たれた葉と同じようにすとんと弧を描いて落ちる。手の甲が微かに床に触れるのと同時に、私は力なくこうべを垂れた。

 目蓋をぎゅっと閉じて、熱くなる目頭を誤魔化す。今は、差し伸べられる手も、向けられる優しい笑みもない。ひとりで立ち上がるしかない。甘えられるものは、本当に甘えたいものは、ここにない。

 重い雲が空を覆い、暖かい夕日さえも差し込まない暗い教室。
 いつの間にか激しい雨が降り出していた。真斗くんは先程校舎の外を歩いていたようですが、濡れてしまってはいないでしょうか。
 いえ、彼は強い人。なんでもひとりでできる。私が心配しなくても、彼は雨風ぐらい簡単に凌げる。今頃はきっともう寮に帰っているに違いない。私は屋内にいるのに、こんなに濡れているように感じるのは、冷えた鍵盤のせいでしょうか。傍の窓に伝う雨粒のせいでしょうか。

 ここで彼と運命的に再会して、導かれるままパートナーになった。会話も覚束無かったけれど、ピアノを弾けば彼は必ず歌で応えてくれた。音楽で心を繋げることができた。
 肩を並べて連弾もした。その最中、時々肩が触れる度に身体が熱くなって、気を取られて恥ずかしいミスを何度もした。咄嗟に謝ると小さく微笑んで、もう一度だ、と間近で視線を通わせた。その度、甘く脈打つ心臓の音が煩くて、聞こえてしまうのではないかと必死に押さえ付けた。
 真斗くんにそのつもりはなかったかもしれないけれど、突然抱き締められた事もありました。あの日はとても暑くて、立ち眩みだと言う彼を支えただけ、ただそれだけ。他に意味はないのに、どうして私は広い背に腕をまわしたの? それではまるで人目を忍んで会っている恋人達のようで簡単に怪しまれてしまう。わかっていたはずなのに。
 広く逞しい胸を、引き締まった腕を、抱き締められた温もりを、知ってしまったから? 触れた箇所から直接流れ込むような、押し寄せるあの切なくて激しい感情を見たから?
 男の人にあんなに力強く抱き締められたのは、初めてで、それが聖川様で、あなたは私のパートナーで。パートナーは支え合わなくてはいけません。あなたが私を頼ってくれたのだから、応えただけ。本当にただそれだけなんです。

「俺のジュリエット」

 ああ、またジュリエットが叫び出す。

 ここで初めてジュリエットと呼ばれて、劇の練習を重ねた。情熱的な言葉も囁きも眼差しも、全てが演技、全てがロミオ様を演じているに過ぎなかった。あなたは台本通りに演じていただけなのに、私はただあなたに酔いしれていった。あなたの演技が、大袈裟なのにとても真っ直ぐで、華麗で、熱くて、それが私に向けられていると錯覚してしまえるほどに。それは当たり前、真斗くんはロミオ様として私の役であるジュリエットに迫っていたのだから、私がジュリエットとして演じられていたのなら、それに心揺れるのは自然なこと。あの時真斗くんが輝いて見えていたのは、私の中のジュリエットが真斗くんにロミオ様を見たから。私じゃない、私じゃない。

 ジュリエット、あなたの役はもう終わったの。もうロミオ様に恋するヒロインを演じる必要はないんです。お願いだから何処かへ行って、あなたはあなたのロミオ様と恋に落ちて、何処かへ行ってしまって!

 秋のにわか雨。全ての音をかき消してくれるように、優しく強くなっていく。
 今なら、今だけなら、あなたへ伝えたい言葉をどれだけ並べても、ゆるされますか? ただあなたに会いたい、わかりあいたい、そう喚いても、ゆるされますか?
 心も、涙も、時雨が、流してくれますか?

 本当は……本当はもっと一緒にいたい。もっとあなたが知りたい、近づきたい。憂いたひとりぼっちのあなたをそっと包み込んであげたい。優しくしたい、されたい。名前を呼びたい呼ばれたい。気持ちを、打ち明けてしまいたい。

 決して叶わない。あなたの前には壁が多すぎる。

 この気持ちは知らない、わからない。そう思い込まなくては。
 今の私にあるのは、彼を想い、自ら毒を煽ったジュリエットの心。そこに確かに生きているはずの、押し殺された心。本当は生きていても、それは誰もわからない。このまま彼に気づかれず、知られずに消えてくれたら、どんなに楽だろう。

 それは結局、悲劇となってしまうのでしょうか。
 それが、運命なのでしょうか。

 雨に晒されたように、指先が、袖が濡れていく。振り払うようにモノクロの鍵盤の上で、ふたつの手が躍らされる。ひとりで躍るふたり、決して重なることはない。まるで。

 ピアノが、叫んでいた。





fin.

シェイクスピア卿のお話は子供の頃から読み親しみ、ロミオとジュリエットもお気に入りの戯曲のひとつです。が、repeat初プレイの当初から本命として見ていた真春が、まさか悲劇の代名詞とも言えるロミオとジュリエットを演じるとは、まあなんと皮肉な話なんだろうと思わされたのを覚えています。
本編文化祭後、春歌さんは自分の恋心のようなものをジュリエットに半ば押し付ける形で無理に紛らせていたように見えました。ですが自分の気持ちに役も何もありません。シビアに指摘するなら春歌さんはプロの役者ではないのですから、付け焼き刃の練習で役にのめり込めたとは思えません(ごめんなさい)。ですがそうする事で焦がれる気持ちを御してしまおうとしていた様が余計痛々しく見せられました。この時点で何度ほろりとした事か。例えジュリエットを演じたとしてもあなたと真斗さんは悲劇では終わりません!信じてます!

そうそう、今回「好き」を使わずいかに悲痛に愛を求めているかを表現できるかに拘ってみました。
この頃の「全身で好きって言いたい!でも言えない!私を見てください!」な春歌さんが描けていたら何よりです。

ありがとうございました(*^^*)


14.04.21. とばり


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