事前報告


事前報告





きみが私を初めて瞳に映すとき

私はどんなふうに見えるのでしょう



私はきみのその美しい視線に耐えられる気がしない

どうしてこの醜くて愚かしい姿を焼き付けることができるのでしょうか


恥ずかしい
恥ずかしい
恥ずかしい


私の身体・こころ・足のつま先まで すべてが恥ずかしい

きみの無垢な人生に黒い墨を塗りつけてしまう気がして

私の存在ひとつが もし きみの人生を狂わせてしまったら




何がこんな気持ちにさせるかって

それは

自己陶酔にはまる私と 

それを外から冷ややかに見て自己疎外を繰り返す私

二人の私の温度差でしょうか




いっそいつまでも酔っていればいいのです

そうすれば この世界はもっとずっと美しいものでありつづけるのに




私は分かったような口をきいて 自分をも批判している自分が嫌いです




どうして私は私を受け入れてくれないのでしょう





良い気分になった私を余韻に浸らせることもなく

足元を引っ張ってムリヤリに地につけようとするのです




離してください と心の中で声を荒げる私と

いつまでそうしているつもりだ と冷笑しながら頭に水をかける私




やっぱり 矛盾 なのでしょうね




こんな人間が人を愛せると思いますか


慈しむ余裕があると思いますか


独りで居たって こうして葛藤だらけだというのに


きみと過ごす幸せな日々の中で


私はきっと


きみを傷つけるほかに出来ることがない気がするのです





まだきみと会ったことも話したこともないのに

もうきみの去る後ろ姿が目にうかぶ




きっとそのときはもう

行かないでほしい なんてわがままも言えないほど

きみを傷つけて血だらけにしているのでしょう




ごめんなさい、


つらい思いをさせて ごめんなさい





”こんなことになるなら 出逢わなければよかった”


よく聞く言葉ですね


だから私はときどき


まだ顔もしらないきみと

めぐり逢うことのない道を探すことがあるのです



おかしい話しですよね


だってまだ逢うのかどうかもわからないのに





ときどき こんなことをかんがえます

こんなことをかんがえる 人間です





それでもきみに逢ってみたい なんて言ったら


私はとんでもない我が侭ムスメですね




きみの前で堂々としていられるような


努力や成果や性格や容姿なんて


何一つ 持っていないのに



身の程しらずもいいところでしょう





それでも

もし  

きみとめぐり逢えた  

そのときは









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