5th | ナノ






やっと寮が決まった。それだけでこんなにも安心できるものなのか。寮のテーブルにつくと、監督生のかたに笑顔で出迎えられた。声をかけてくださる方、みんながみんな笑顔だった。すごく心が暖かくなる。私が席につくと、校長先生の合図によって食事が出てきた。まあ、一気にたくさんの種類が出てくるのね!ビックリしたわ。とりあえず、紅茶に手を伸ばそうとすると目の前の女の子が話しかけてくれた。

「素敵な髪色ね!紅茶でしょう?」

「えぇ、ありがとう。はじめまして」

「あっ、はじめまして、私はメアリー・ウィンドボナって言うの。」

「私は、ジュリア・ウイルソン。よろしくね、ウィンドボナさん!」

「あら、同学年だから敬語なんてやめてちょうだい、それと私のことはメアリーって呼んでちょうだい」

「なら、私もジュリアって呼んでね」

なんてやり取りをしていると、回りの人たちも自己紹介をしてくださった。みんな優しげな人たちばかりですぐに打ち解けられた。これからも安心ね。
でも、ひとつだけ心配なことがある。それは料理が美味しくないっていうこと。あぁっ、不味くはないのよ!紅茶に関しては一大事。私の一日は紅茶がないとどうしようもないの!朝起きたら紅茶、ワクワクしたら紅茶、イライラしたら紅茶、寝る前も紅茶。どうしようかしら。

宴が終わるとみんなが寮まで案内してくれた。談話室というスペースは広く、落ち着いた雰囲気だった。女子寮専用の談話室、基誰かの部屋で話していると悲鳴が聞こえてきた。何の騒ぎかと思ったら原因はロンロンだった。

「あら、私の飼い虎なの。」

おいで、と手を広げるといつもどおり甘えたさん。みんなの驚いた顔に安堵の声、みんな虎なんて普通じゃないのかしら。ジョシュだって黒豹を飼ってるじゃない、って言うと虎と豹は別らしいわ。

「この子、とっても大人しいから安心して。でも、危害を加えようとしたら」

ニコッと笑うとみんな身震いしていた。女の子には優しいはずよ、と付け加えておいた。

とりあえず、今日はお開き。明日起こしてね、とメアリーに告げて自室へ。私の部屋は個室。編入生という立場だからだろう。部屋に戻ってロンロンと遊んでから、お父様とお母様へ無事に着きました、と手紙を書いた。あと、紅茶の相談も。まぶたが重くなってきたし手近に梟が居なかったから、クッションを梟に変えて送った。また、明日。





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