〜桜襲ね(二)
 
 
 店を出た私たちは、レナードの気が向くまま街中を歩いていた。
 ガイド、なんて言って、別段彼はどこか観光したかった訳では無さそうだ。
 私を巻き込んだのは純粋に暁臣くんに嫌がらせをしたかっただけらしい。
 ホントに、どういう友人関係なの。
 超絶美形の外人と、ドレスアップした私を道行くひとが注視するが慣れているのか彼は全く頓着せず、居心地悪いのは私だけ。
 眼鏡外してて正解。マトモな視界で辺りを見てらんないもの。
 合間に彼が今回日本に来た理由を聞いた。

『うちの城をひとつ、ホテルにしようかと思ってな。色々考えるのが面倒だからアキに任せようかと。今回はその下地作りだ』

 簡単に仰る。
 うちの城をひとつ、とか(ひとつっていくつあるのよ、じゃなくて城? マジ城?)、考えるのが面倒ってそれってどうよ、任せるって丸投げ? それ何のためにホテルにするの、とかとか、突っ込みたい部分は多々あったけれど、私が言うようなことは既に考えきっているんだろうし、無駄だろうから、ふぅん、と気のない相槌だけ返した。
 アレだ、所詮暁臣くんと同じ人種。
 自分の決めたことはどんな無茶だって押し通すのだ。常識を求めても徒労に終わる。
 ひとつだけ気になったことを口に出す。

『暁臣くんに任せるって、管轄違いじゃないの。ホテル業は叔父様が長でしょう』
『知らんのか? アキはレイリオール海外支店の窓口をやっているはずだが』

 はいぃ?

『え、ちょ、それホント? てゆうかあの人大丈夫なの、どんだけ仕事してるの』

 氷蓉本社の情報処理部長、うちの学園の理事長、オマケに海外支店? よく私で遊ぶ暇があるわね。
 確かに、海外出張がヤケに多いなぁと思ってはいたけれど。

『日本人は働き者だな』

 何したり顔で頷いてるの、貴方の言ってる仕事を彼に任せたら更に忙しくなるってことじゃないの。只でさえオーバーワーク気味だと思ってたのに。
 むむ、と眉をしかめた私を見て、レナードは唇の端を上げた。

『心配か?』

 見透かしたような声音に、何故か心臓が跳ねた。
 心配?
 心配って、そりゃ心配よ、
 彼の溜まりまくったストレスがどこへ向かうかって言ったら、当然、

『お疲れの苛立ちを私にぶつけられるのは嫌だなぁって話』

 ムッツリ言い返すと頭の上からクックッ笑う声。

『アキもアキだがお前も相当素直じゃないな。是非ともアレをどう落としたのか聞きたいところだ』

 慰めると見せかけてテゴメにされて且つ脅迫されてるんですー。

 なんていつものことながら、ズバリ言えるわけもなく。無駄なあがきと知りつつも、否定してみせた。

『落としてないわ、どう誤解してるんだか知らないけど彼と私はそういう関係ではありませんから』
『ふん、アキにああまでさせておいてか』

 チラリとレナードが見やった先に、ヒヨウビルを出てからずっと私たちの後ろを付かず離れずしているスーツ姿の二人組。
 護衛の方々だ。私より少し上の女性と男性。僅かに見覚えがあるような、ないような。
 暁臣くんからそういう人たちが私に付いてると聞いてはいたけれど、こうハッキリ気配を見せられるのは初めて。
 今日に限ってなんで――、と思ったけれど、そんなの、決まってる。

『――貴方のせいでしょ、お見受けするところ、やんごとなきご身分のようですし』

 嫌そうに言うと、愉快そうな笑い声を上げた。

『わかっていてそういう物言いか』
『私には関係ありませんもの』

 強いてどこの誰だか訊くつもりもないけど、明らかに上流出身の雰囲気をまとった隣を歩く青年を見上げる。
 暁臣くんのご友人、てだけで私にとっては厄介この上ない相手なのだ。それにご身分なんてものがついてきたら、疫病神以外の何者でもない。

『なるほどな。バックグラウンドに興味はない、と。そういうところが良かったのか』

 ふんふんと勝手な解釈をし、こうも俺たちの外面に無関心な女も初めてだ、とレナードは愉快そうに笑う。
 はいはいはい、そりゃもう外見とかお財布に騙されたオンナがキャーキャー寄って来るんでしょうよ。
 みんながみんな、そういうものだと思わないで欲しい。
 彼といることで付随するメリットより断然デメリットの方が多い、と私は思うんだけど。

『では何故アキのそばにいる?』

 またしても私は言葉に詰まった。
 何故?
 何故ってそれは―――、
 一瞬頭が空っぽになって、至極単純な答えが浮かび上がりそうになり、慌ててそれを振り払う。
 違う違う違う、そう! 何故も何も、そうよ私、脅迫されてるんじゃないの!
 だから、私の意思でどうこうできる問題じゃなくて。
 暁臣くんがこの関係をやめようとしない限り、彼の手に弱味が有る限り、私からは何も出来ないのだ。
 ――詭弁だけど。

『……レナードは彼といつから?』

 自分に都合の悪い話題からワザとらしく話を変えた私に、レナードは意義ありげな顔をして、でも追求することなく乗ってくれる。

『高校からだな。奴が留学していたことは?』

 知っている、と頷きを返した。
 中学はこちらで、米国のハイスクールと大学をいくつかスキップして卒業後、日本に戻ってきたのが二十のとき。
 お父様の会社に入り、働く傍らどこだかの大学の聴講生になり、今の部署を立ち上げて、部長になったのが私との関係が始まる少し前、だったかしら。
 あ、その前に理事長就任とかあったっけ。
 ……改めて考えるとどういう経歴ですかあの人。
 そんなゴージャスマンのくせして性格困ったちゃんだし。いや、だから、なのかしら? 

『初めて見たとき、生きることにつまんなさそうな奴が来たな、と思ってな。だから引っ張り回してやった』

 レナードはその頃のことを思い出してか愉しげに笑う。
 更に上行くマイペースなレナードに、文句を言いつつ付き合う彼の姿が見えるような気がした。
 生きることにつまんなさそう……ね。
 それは意外なようでいて、どこか納得いく意見だった。
 私も、初めて会った頃、人当たりよく穏やかな、いつ会っても完璧な理事長という青年に、何が楽しくて生きてんのかしらこの人、と思ったことが時々あったから。

『奴の、学生時代の話、聞きたいか?』

 ニヤリと黒い笑みを浮かべたレナードに、私は―――

『是非とも聞きたいわ』

 あわよくば、ちょっとした弱味を握れるかしらと下心つきで即答した。
 私の知らない少年時代の彼のこと、知りたいと思う、心の動きに気付かないふりで。
 

『うっそ、今あんな“品行方正です僕”みたいな顔しておいて?』
『そうそう。まだゴツくなくて甘い顔立ちだったから、余計にな。アイツがにっこり笑えばたいていの奴は騙されてた』
『あははは! ていうか笑顔でごり押しするのその頃からやってたんだ!!』

 その場がホテルのレストラン内でなく居酒屋であればテーブルをバンバン叩いて笑い転げていただろう。
 日が暮れて私とレナードは、ホテルレイリオールに場所を移し、ディナーと洒落込んでいた。
 てか、レイリオールに宿を取ってるなら最初から言いなさいよね。ムダに反対方面ウロウロしちゃったじゃないの。
 ムードあるフレンチのお店で私たちが話してることと言えば暁臣くんを肴にして、レナードは昔のハナシ、私は最近の面白おかしい話。
 俺様レナード様はこの調子でいつもオンナを口説いているのかしらと思うくらい話術が巧みで、話し相手としては申し分ない。
 他には暁臣くんのこと遠慮なく話せる相手がいない分、私の口も滑りやすかった。
 気がつけばギリギリ際どい部分まで暁臣くんと私の関係を白状してしまっていたのだ。
 お酒のせいもあるのかな。
 いらないことまで話したような気がする。

  ―何を考えて私との関係を続けているのかわからないし―
  ―気持ちを言われたわけじゃないし―
  ―いつかサヨナラを告げられるに決まってる―

 何故そう思う? って、だって、そうなんだもの。
 先輩だって次の彼だって、藤岡くんだって、最後は私から離れていったの。
 私なりに、ちゃんと好きだったのに、向こうはもっと気持ちをくれる相手のところに行っちゃった。
 だから、暁臣くんだってその内そうなるから、
 だから、私はこれ以上好きにならないの。
 だって、無駄なんだもん。

『アキがあんな風になるのは初めてだというのに、お前は自信がないんだな。自分の気持ちも、アイツの気持ちも信じていない』

 ……だからどうしてそう人を見透かすようなことを――、

『10年来の友を今にも殺しそうな目で睨むほどお前にやられているというのに、不憫な奴だ』

 ふっと目線を遠くへやったレナードの視線を追おうとした瞬間、背後にいつの間にかいた人物が、私の肩に手を置いた。
 ……………れ、冷気が……っ。

『デザートはお済みになられましたか? 茅乃さん』

 ひいいいいっ!!!
 肩に置かれた手から伝わる静かな怒りに私は金縛る。そ、そういやあれから携帯の電源切りっぱだった!

『遅かったな、アキ。この女の胃袋のせいで破産するところだったぞ』

 空気を読んでいて、あえてそういう発言をするレナードをこっそり睨み付けた。
 一刻も早く逃げなくては! と学習能力のある賢い私は立ち上がって愛想のよい笑みを浮かべ。

『じゃあ待ち人も来られたようだし失礼するわね。積もる話もあるでしょうし、私はこれで』

 ほほほ、と我ながらワザとらしい仕草でソソとその場を去る――はずだった。
 ガッシリとたくましい腕に行く手を遮られなければ。

『遠慮することはないんですよ、茅乃さん。そもそも邪魔なのはアレの方ですから』

 キラキラな笑顔返し。
 っく……! やはりこうなるのかっ……。

『アレ呼ばわりはひどくないか、アキ?』

 ニヤニヤ私たちの様子を眺めていたレナードがまた余計な茶々を入れてくる。
 暁臣くんは冷ややかな一瞥。

『返してもらうぞ』

 肩を引かれて操られてるみたいに私の身体は彼に従った。
 え、ちょ、

「あ、暁臣くん、レナード放っといていいの、久しぶりに会ったんでしょ、お仕事の話もあるみたいだし……!」
「一人で楽しめるやつですから置いといて構いません」

 いやいやいや、なんか違うでしょ!
 引きずられるようにして暁臣くんに連れていかれようとする私にヒラヒラ手を振って、レナードは口の動きだけでこう言った。
“ Good luck ”
 幸運を☆じゃねーわよ、この状態の暁臣くんが私にすることなんて、決まってるじゃないのーーー!!!
 ……お仕置きだ……。
 
 
 攫われて連れ込まれたのは当然っちゃあ当然の、古賀一族様専用スウィート。
 あーここ来るのも久々よねー、なんて懐かしがってる余裕はない。

「あ、ちょ……暁臣くんっ、ダメ!」

 担がれるように部屋に入ったと思ったら、そのままバスルームまで運ばれて。
 壁に押し付けられ、唇、うなじ、鎖骨に食いつくような口づけを受ける。
 服を脱がそうとする暁臣くんの手に必死で抗った。

「他の男のために着飾った姿などいつまでしているつもりです? ……そんな風にして私と出掛けたことなど一度もないのに……あの野郎あとでシメる……!」

 なんの話よ!? ガラ悪くなってるわよ、暁臣くんってば!
 ゃ、だから、そんな無理矢理引っ張ったら服が痛むーー!
 あくまでも抵抗し続ける私に苛立たしげな舌打ち。

「なんですか、そんなに奴に買ってもらった服を脱ぎたくないんですか」

 ギラギラした目で余裕なく言ってくる暁臣くんに、何でそうなる! と怒鳴りたい気分。

「違うわよ、これ幾らすると思ってるの! ン十万の服、一回着ただけでダメにするなんて許せないでしょうが!」
「……私が買った服はそんなに大事にして下さったことないのに……」

 虚を突かれたように無言になってから、そんなことをボソリと呟く。
 なに子供みたいなこと言ってるのよ。

「暁臣くんが買ったものをどうしようが暁臣くんの自由でしょ。これとはまた別よ」

 第一、せっかく買ってやった服が一日でダメになったなんて知ったら、俺様がなんて言うか。
 む、と眉をひそめた暁臣くんは、ふと気付いたように真顔になって、次に逃げ出したくなるような綺麗な笑顔になった。
 いいこと思いついたー! なんて顔して。
 これまでの経験から嫌な予感しかせず、身構えた私に向かって、麗しい笑顔のまま仰っしゃった。

「では、茅乃さんが自分で脱いで下さい」

 …………この変態め……。
 
 
「やっ……、んん……ッやぁ、だっ……あき、おみく……っ、」

 泡立てたボディソープを、スポンジではなく、彼の手のひらによって身体に塗り込められて。

「茅乃さんはキレイ好きですから…、ちゃんとこうして洗って差し上げてるんですよ? 何がイヤなんですか、」

 背中から前へ回った腕が、くるくると円を描くように素肌を泡で飾り立てていく。

「っ、や……っあ、」

 普通に触られるのとまた違う、彼の手が滑る感触と、この状況に羞恥を覚えて身悶えた。
 湿った空気のこもる室内に、私の荒い呼吸音と水音が響く。
 白いバスルームの照明の明るさに、否応なく裸身が晒されていた。
 服を台無しにされたくなければ自分で脱げ、などとぬかしやがった変態、もとい暁臣くんに向かって、頭から勢いよく脱いだワンピースを被せ視界を塞いだまでは良かった。
 しかし、そのスキにバスルームに篭城しようとした私の目論見は、押し込むように着衣のまま一緒に中へ入ってきたおばかによって阻止されてしまったのだ。
 抵抗空しくいつものように剥かれて、情事になだれこみ中でございます……。
 スーツ駄目にしてバッカじゃないの、バッカじゃないのバッカじゃないの!

「ん……っっ、もうっ……、この、へんたいぃ……っ!」

 何が楽しいのか理事長サマは私の悪態に上機嫌でクスクス笑いながら、後ろから私の乳房を嬲ってくる。
 弱い耳の辺りを吸われて、舌先が中に、入ってこようとする。

「ンッッ、ふ……っあ、あ、だぁめ……あぁッ!」

 下から掬い上げるようにふくらみを包まれ、弄られすぎてジンジンする頂を指先で抓られた。
 ビクリと身体が跳ねる。

「ッは……、あぅ…ん、ん、んん――、」

 強く捏ねられ形が変わる様を見せ付けるように、背後から抱き込まれて、上半身を反らすように持ち上げられ。
 一方の手は胸を弄り、もう片方の手が腹部を撫で腰を滑り、泡を広げながらそこへ到達する。
 もうドロドロだった。
 頭の中も、ソコも。

「……ん、ふ……、ぅん、」

 お湯でもなくソープでもなく、別の要因で濡れたソコをするりと彼の指がさぐる。
 零れそうになってる蜜に気付いているはずなのに、表面をヌルヌルと弄るだけで、与えてくれない。
 焦れったくて、だけど自分から、なんて今さらなのに言えなくて、唇を噛んで堪える。
 ぎゅっ、と身体に巻きついた腕に爪を立てた私の耳に、クスクスと忍び笑いが聞こえた。
 私がどんな状態なんて、暁臣くんには分かってるはずなのに、焦らして、焦らして、言葉を引き出そうとする。
 ズルイ。
 だから、私も意地をはる。
 欲しい、なんて、言ってやらないんだから。
 途中泡を足しながら、もも、ふくらはぎ、足の裏側まで暁臣くんは私を“洗った”。
 足の指に感じるところがあるのまで発見されてしまった。
 お湯に浸かってるわけでもないのに、のぼせそうだと思い始めたとき、ようやく飾り立てるようにまぶされていた泡を熱いシャワーで流された。
 ホッと息を吐く――と、まるで私の緊張が途切れる瞬間を狙っていたかのように、腰を持ち上げられて――そのまま穿たれた。

「やぁぁああっッ!?」

 ナカを満たされて、“洗う”行為でギリギリまで来ていた私は、入ってこられただけでイってしまう。

「っあ、ぁ、あ……ッッ、、ふぁ、ッ……!」

 一気に押し上げられ混乱する身体はそれでも快楽に従順で、彼を奥まで誘って飲み込む。
 解されてもなかったのに、容易く受け入れることが出来た、なんて、そんなの――…、
 クス、と軽く笑った暁臣くんに、そんなに待ってたんですか、と更に羞恥を煽るささやきを落とされ、悔しくなって捻った顔を肩に押し付けた。
 ……自分だって、こんなになってたくせに。

「はぁ、あんっ……あ、あぅッ……、ぁん、っぃ……!」

 暁臣くんは、繋がった腰を揺すりながら、私の肩に強く噛み付いた。獣じみた荒い息づかいに混じって、うわごとのように繰り返す。
 ――私のものです…、
 ――この肌も髪の一筋さえも、爪のヒトカケラだって――私のもの、そうでしょう……?
 否定の言葉を紡ごうものなら、そのまま縊り殺されてしまいそうだった。
 恐怖を覚えたってよさそうなものなのに、冥い嵐を秘めた灰色の瞳に見据えられていると思うだけで、どうしようもなく、感じた。
 ――どうかしてる。
 嬉しい、だなんて。
 自分の内にある貪欲なオンナの部分にわずかに戸惑っていると、うん、と言わない私を懲らしめるように彼の動きが激しくなった。
 大きな手のひらに乳房を揉みしだかれナカを抉るように掻き回され、悲鳴めいた喘ぎが唇から漏れる。

「レオなんかに肩を抱かせて…、私以外の男のために着飾って……、私と居る時より楽しそうでしたね?」
「あ、あ、あ、いゃっ……、つよ…ッいっ……ぅ、んん!!」

 駄目、と叫んだ唇を顔を捻じ曲げるようにされて塞がれた。
 口腔を侵される。そうしながら抜き差しも止めず、嬲られすぎて、腫れたように痛む胸への愛撫も続けられて。
 なれない体勢での交わりのせいか、狂気じみた暁臣くんの熱のせいか、いつもよりイきやすくなっている気がした。
 ……ねえ、その執着はどういう意味?
 所有物に対してのもの、
 それとも、別の感情から来るものなの?
 
 重ねた肌から想いが透けて見えればいいのに。
 肝心な言葉を口にしない私たちは、もどかしさを抱えたまま、薄絹一枚隔てた向こう側にいる、お互いを見ている。
 
 まなざしを重ねて、唇を重ねて、身体を重ねて、
 
 想いだけが重ならない。
 
 恋のように淡く、愛のように儚い、
 桜花の木の下で。
 咲き誇る花々に眼を眩まされ、迷い込んだ迷路の中。
 
 私たちは、どこへ行くんだろう―――。
 
 
 
(初出'09/03/24,加筆改稿'11/02/05)
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