プロローグ
***
首筋にヒヤリとあたる鋭いものが弱者としての自分の立場を思い出させた。
簡単に、命を奪われる存在としての自分を。
だけど彼は知っているだろうか?
追い詰められた鼠は、猫だって噛む、という東の諺を。
私は彼らにしてみれば指先で捻り潰せるちっぽけな人間かもしれないけれど。
持っているのだ。
戦う心を。
それがどういう結果を呼び込もうとも、他者の言いなりになることを良しとせぬ、不屈の意思が、
押さえ付けられた身体を動かす力となる――。
***
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