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▼ ホワイトデーのプロポーズ

「はいこれ、ホワイトデーのお返し」
「え?」

私はダイゴさんに会うなり、いきなりホワイトデーのお返しだといってプレゼントを差し出された。
ダイゴさんとはあんまり会ってないうえにバレンタイデーのプレゼントも渡していない。なのになんでお返しを渡してくるのかわからなかった。

「私、そもそもダイゴさんにバレンタイデーのプレゼント渡してないんだけど」
「そんなことは関係ないさ。ななし、プレゼントを開けてごらんよ」

ダイゴさんがプレゼントを開けてほしいと催促してきたのでプレゼントを開けてみた。するとそこには指輪が入っていた。

「これ……指輪」
「そうだ。もしよければだけど、受け取ってほしい」
「えっ、ええええええ!?」

指輪をもらってくれ、と言われてもいまいちピンとこなかった。しかもダイヤが乗っているいかにもお高そうな指輪だ。
そんなものをもらって正直驚くほかにしかなかった。

「む、無理ですよ、こんな高価なもの」
「ななし」
「は、はい!なんでしょう」

急にダイゴさんがまじめな顔で私の手をギュッと握ってきた。あまりにも真剣な顔だったので目をそらすことができずダイゴさんの顔を見入ってしまう。……やっぱりかっこいいな。

「僕と結婚してほしい」
「えっ、け、結婚……?」
「そうだ。返事を急ぐわけではないけどなるべく早く答えてほしいんだ」

ダイゴさんがどことなく催促しているかのような口調に私は思わずかしこまってしまう。どうしても急いでいるような口調に私は今、頭がグルグルしている。

「……あ、あの」
「うん?なんだい?」
「今日はここでさよならします!また!」

私はこの場にいられなくなって、モンスターボールからオオスバメを出して空を飛ぶを使い、逃亡した。
逃亡するのはよくないことだとわかっていても逃げ出せずにはいられなかったのだ。ダイゴさんがあっけにとられた顔で私とオオスバメを見ていた。

「……返信、どうしよう」

オオスバメに掴まれたまま、私は茫然と考えるのだった。次にダイゴさんに会ったらどうしようかと。


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