▼ 新年初バトル
「やあ、レッドにグリーン。あけましておめでとう」
「……」
「相変わらずだなお前は……。ななし、あけおめ」
私はレッドとグリーンを発見し、新年のあいさつをする。レッドは相変わらずだったが、グリーンは返してくれた。
私は歩き出す2人に歩幅を合わせ、歩き出す。
「そういや2人は正月なんかあった?」
「……」
「オレは特になにも。そういうななしはなんかねーのかよ」
「いや、私も特に」
「せっかくだし、バトルするか?」
グリーンがモンスターボールを持ち、私をまっすぐに見据えた。隣にいたレッドもまた、モンスターボールを持ち、私とグリーンを交互に見つめる。
「ちょっ、待って!2人一気には無理だって!」
「じゃあオレは審判やるからレッド、お前行け」
「……」
レッドはコクリと頷き、私をまっすぐ見る。私もモンスターボールを持ち、レッドを見つめた。
私とレッドの中央に立ったグリーンが「準備はいいか?」と聞き、私もレッドも頷き、モンスターボールを宙に高く投げた。
「そこまで!勝者はレッド!」
「やっぱ強いなあ、レッドは」
「……」
「ピカピーカ」
私は手持ちのポケモンをモンスターボールに戻すとともに、レッドを見る。レッドは特に動じずに出していたピカチュウを抱っこした。
「でも、何時か、レッドに追い付いて見せる!」
「……!」
「おいおい、オレを忘れてもらっちゃ困るぜ!」
「もちろんグリーンにも負けないからね!」
「へっ、お前にこのオレが倒せるかな!」
「な、なにをー!」
私とグリーンが言い合い、レッドが黙って見つめる。こんな瞬間が好きだ。
何時までもこの関係が続けばいいな、と思いつつ。
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