▼ 来年もよろしくね
ナックルシティのとあるカフェで、私とキバナさんは話していた。
足元には私の手持ちであるアオガラスが気のみをついばんでいる。
「もうすぐ新年ですね」
「おっ、そうだな。今年もななしと一緒にいれてオレさまは幸せだぜ」
キバナさんは私の肩を抱き、ぐいっとよせる。椅子から落ちそうになったが私はなんとか踏みとどまる。
キバナさんは紅茶をぐいっと飲み干し、私をじっと見つめた。アオガラスも私の方をじっと見つめている。そう見つめられるとちょっと恥ずかしい。
「あ、あの、なんですか」
「先に言っておくぜ、ななし。来年もまたよろしくな」
「うん、来年もよろしくね」
「グワーッ」
アオガラスが高く鳴いた。キバナさんはそんなアオガラスを一瞥し、私の手を掴んだ。そしてそこからブンブンと手を振った。
来年もキバナさんと一緒にすごせたらいいな、私はそう思うのであった。
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