ポケモン | ナノ
▼ よいママになれそう

「おーい、エレズーン、出てきて―」

私は自分のポケモンであるエレズンを呼ぶ。エレズンは私の声に反応して、ゆっくりとこちらへやってくる。
エレズンが私の足元に来たところで抱っこする。私はカバンからオボンの実を取り出した。

「はい、エレズン。オボンの実だよ」
「ズンズーン」

エレズンは喜んだあと、オボンの実を食べ始めた。シャクシャクと心地の良い音が鳴り響く。
そこへ、スパイクタウンジムリーダー……もとい元ジムリーダーのネズさんが通りかがった。ネズさんは私とエレズンを交互に見、こう呟いた。

「仲がいいんですね」
「まあ、タマゴの時から一緒にいますし」
「ズン……」
「あ、もう眠るの。よしよし」

私は眠り眼になったエレズンを撫でる。エレズンはそのまま眠ってしまった。

「……ななし」
「なんでしょうか」
「いい母親になれますよ」
「!?」

ネズさんからまさかこんなセリフが出ると思っておらず(失礼だが)思わず私はネズさんを二度見した。
ネズさんは私の驚きの視線を受け取ったのか、怪訝そうに眉に顰める。

「どうしました?おれにしては意外なことを言ったと思ってやがるのですか」
「い、いえ、決してそのようなことは」
「まあいいですよ。じゃあ、おれはこれにて」

ネズさんはそう言って去ってしまった。残された私は、未だ眠っているエレズンを抱きながらスパイクタウンへ戻るのだった。



戻る



book

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -