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▼ 言いたいことは

「ちょっと待てよ、ななし!」

私がジョウト行きの船に乗り込もうとしたその時、突然誰かが私を止める叫びが聞こえた。
後ろを振り返ってみると、グリーンが息を切らしながら立っていた。

「グリーン!」
「ホントに行っちまうのか、お前!?」
「え、もしかして冗談だと思ってたの?」
「当たり前だろ!なにが「明日ジョウトに行くから〜」だよ!冗談かと思ったじゃねえか!」

グリーンの怒鳴り声が聞こえる。船に乗る人達は「なんだなんだ」といわんばかりにグリーンの方を見ている。
ここにいるのはまずい。そう思った私はグリーンの腕を引き、その場を後にした。



「ちょっと、グリーン。落ち着いて!」
「ん、ああ……。悪ぃ、お前のジョウト行きを邪魔しちまって」

グリーンはそう言って頭を下げた。確かに冷静じゃなかったとはいえ、別に私も気にしてない。
それに、まだ船の出向までには時間はある。カントーを離れる前にグリーンと話すのもいいかもしれない。

「それで、お前、ジョウトで何するつもりなんだよ」
「ポケスロンに出てみようと思ってね」
「ポケスロンねえ……。お前に優勝できんのか?お前どんくさいし」
「失礼な!優勝の1つくらいはしてみせるよ!」

私はそう言ってドヤ顔をした。グリーンはやれやれといった感じで私を眺めている。

「無理に止めちまって悪かったな。頑張れよ。それとななし、大好きだぜ」
「へ?」
「言いたいことは全部言った……お、俺は帰るぜ!」

グリーンはそう言って、ピジョットを繰り出してその場を後にしていった。
最後の言葉、もしかしなくても告白なのでは。と思いつつ、私は悶々しながら船に乗り込むのだった。


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