▼ やきもちやき
私はポケモンセンターで休んでいた。隣にはパートナーのプリンもいる。
プリンはうとうとしてて今にも眠りそうだ。私はそんなプリンを抱いて、お茶を飲む。
その時、ポケモンセンターの扉が開いた。扉の先からやってきたのはレッドだった。
「あれ、レッド!」
「……!」
レッドは声を発することなく私に気が付き、手を振る。
私はプリンを抱きながらレッドにかけよった。
「久しぶりだね、シロガネ山から下りてくるの」
「……」
「せっかくだしなにか食べる?奢るよ」
「……」
「あっ、ならグリーン呼ぶ?」
「……!」
レッドがいきなり私の腕を掴み、ポケモンセンターの外へ連れ出した。プリンが落ちそうになりつつもなんとか抱っこしなおす。
そのままレッドはリザードンを出し、その背に私を乗せた。
「ちょっ、レッド、どうしたの!?」
「……」
「ガウ!」
レッドがなにを言ったのかわからないがリザードンは私とレッドを乗せて、空を飛んだ。
あまりにも突然のことで私は少し固まっていた。
「レッド、なんで、どうしたの」
「……」
「グリーンがどうかしたの」
「……!」
私がグリーンの名を口にした途端、レッドが私の唇を自らの唇でふさいだ。
短いキスだったが少しの間、静寂が流れた。プリンは未だ眠っている。
「レッド、あの」
「…………」
「わかった、レッド」
「……」
レッドは頷いた後、リザードンに命令する。リザードンは唸った後、スピードを上げて飛び始めた。
どこへ向かっているのかわからないがレッドと一緒なら悪くない。空の旅を楽しもうじゃないか。
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