▼ 〇〇しないと出られない部屋 その2
気が付けば、見知らぬ部屋で目が覚めていた。
隣にはキバナが起きて壁を叩いている。私も辺りを見回す。窓もドアもない、完全な密室だ。
「……こうなったら力づくでも」
「待て、ななし。オレさまもさっきポケモンで攻撃したけどビクともしなかったぜ」
キバナにそう言われ、ポケモンを出すのを諦める。
どうしたもんかと頭をひねっていると、何か見つけた。メモだ。
「何々、「ディープキスをしないと出られない部屋」……!?」
メモを読んでみて絶句した。ディープキスをしないと出られないなんて。
ここから抜け出すにはキバナとディープキスをしないといけないのだ。いざ命令されると恥ずかしい物がある。
「ディープキスねえ……、ななし、やるか?」
「普通承諾しないでしょ」
「それもそうだな」
「わっ」
キバナはそう言うなり、私に深い口づけをした。キバナの舌と私の舌が絡み合い、この部屋にくちゅっ、ちゅっ、と音を残す。
ディープキスとはいえ苦しい、キバナとのキスが嫌なわけではない。息苦しさで窒息しそうだ。
「はっ、はっ……」
「……ふー、大丈夫か、ななし」
ようやく口が離され、私は思わず息を吸う。息苦しさでどうにかなりそうだ。
「もしかして、オレさまのキスがよかったのか?」
「気持ちよかったには気持ちよかったけど……」
私は顔をあげ、キバナの顔を見つめる。キバナはなんともないような顔で私を見ている。
その時、扉が現れた。お題をこなしたと見なされたらしい。
「よし、ななし。立てるか?」
「うん。あのさ、キバナ」
「なんだ」
「もう一度、キス、してくれますか?」
「……ああ」
そう言うなり、キバナはまた私に深いキスをするのだった。
キバナとあなたはディープキスしないとでられない部屋に閉じ込められてしまった!!!!!
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